雲と嵐の恋愛事情

□F
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※前回のディーノ視点※







「暇だな…」



恭弥は今、仕事が溜まったと言って応接室に戻ってる


今は並盛の風紀どころじゃないんだが……そんな事を恭弥に言ったら本気で咬み殺されそうだ




そんな事を考えていると、突然屋上の扉が開いた




「スモーキンボムじゃないか!?」

「跳ね馬?」



扉の向こうから現れた人物に、俺は胸を高鳴らせた


最後に会った時はリングの説明だなんだとゆっくり話せなかったから



「久しぶりだな〜。元気にしてたか?」

「お前らこんな所で修業してんのか?」

「そうなんだよ、学校傷つける度に恭弥がキレて怖いのなんのって…」



俺が恭弥の名前を出した途端、スモーキンボムの瞳が揺れた


あ、なんか嫌な事に気がついちまった




「へ、へー。あいつを名前で呼ぶなんて随分親しくなったんだな」



やっぱり

俺が名前で呼ぶことを気にしてる



「なんだヤキモチか?だったらスモーキンボムの事も隼人って呼んでもいいか?」

「馴れ馴れしく呼ぶな!つーか誰が誰にヤキモチ妬いてんだよ!?」

「隼人が、恭弥に」

「妬いてねー!!!」

「赤くなっちゃって可愛いなぁ隼人は」

「可愛いとか言うな!ってか抱き着くな!!」




わかってる


隼人は恭弥に妬いているんじゃない




俺に、妬いているんだ



マフィアのボスにもなると妙な所、洞察力が高くて嫌になるな





その後、暗い気持ちを隠す為に隼人をからかって遊んでいると


タイミング悪く恭弥が現れた





あからさまな俺に対する敵意の目


隼人は無自覚のようだが、恭弥はどうやら自覚しているらしい




その証拠に、隼人の手をとって屋上を出て行こうとする



でも、ただ隼人を奪われるのも悔しくて、大人げなく隼人を飯に誘ってみると

やっぱり恭弥に睨まれた



まぁ、それくらい敵意を持たれた方が修業に力も入るだろう






「失恋…かぁ」

「誰に失恋したんですかい、ボス」

「ロマーリオ、いつの間に…。でもちょうどよかった、修業の場所変えるぞ」

「なんだい、いきなり?」




次からは俺も手加減出来そうにないからな


この屋上は狭すぎる





「恭弥にはもっと、強くなってもらわないといけないからな」




隼人を守れるくらい



強く






強くなれ、恭弥




強くなれ、隼人―――




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