雲と嵐の恋愛事情
□I
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「君、天才なんだって?」
よくわからない毒に体を蝕まれ、真っ先に頭に浮かんだのは隼人だった
この毒を、隼人も受けている
そう思うと寝てるなんて出来るわけがなく、僕は動かない体を無理矢理動かし、解毒をした
そして真っ先に隼人がいるであろう校舎に向かって走り出した
あの日、彼に告白をしたあの日から彼とはまともに会話をしていない
僕の告白に戸惑っていたようだったので、無理矢理返事を聞くつもりもなかった
急かして答えを聞くより、隼人の本心を聞きたかったから……なんて、なんて僕らしくないんだ
そして隼人がいる校舎の窓を見ると、そこに居たのは金髪の男
あれが、隼人の対戦相手
隼人を傷つけた張本人
そう思うと、怒りが込み上げた
天才だかなんだか知らないけど、コイツは僕が咬み殺す!
解毒出来るように指輪を隼人に弾き、自称天才と向き合った
その後すぐに視線を感じて見上げと、隼人が驚いたように僕を見つめ、そして泣きそうな顔をすると、そのまま立ち去っていった
彼の事だから、他の守護者の所に向かったのだろう
うん、君はそれでいい
群れるのは気に入らないけど、君のその信念は好きだ
「はじめようか、天才君」
だから振り返らないで、隼人
君の道は、僕が作るから…―――
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