雲と嵐の恋愛事情

□L
1ページ/1ページ






遠のく意識の中、俺の頭に浮かんだのは雲雀の顔だった


未来に飛ばされて、10代目が…死んでいて

一気に色んな事があって…頭ん中がごちゃごちゃで、怖くて…


山本に八つ当たりしながらも、γを倒す為に協力した



でも、γの圧倒的な強さの前に俺達は手も足も出せなかった




「どうしても吐かないつもりか?なら、ここで召されな」





ああ、俺は死ぬのか?


すみません、10代目…もう一度花火を見るって、約束したのに


山本、お前だけでもなんとか逃げろ…10代目が悲しむだろーが




「あばよ」






ヒバリ…


結局お前に、好きだって言えなかった…――






ドオォォン!





意識を手放そうとした時、大きな物音に再び意識を浮上させた





「君が知りたいことのヒントをあげよう」



誰、だ?



「彼らは過去から来たのさ」



まさか…



「僕は愚かじゃないから、入れ代わったりしないけどね」




ヒバリ、だ


この時代の、ヒバリだ





「ひ、……ばり」





どうしてお前はいつも、俺の前に現れる

10年経っても変わらず、こうして俺の心を占領するんだな






「僕は今、機嫌が悪いんだ…


君はここで、咬み殺す――」





もう、大丈夫

ヒバリがいれば…心配ない


いつもヒバリに守られてばっかで、ちょっと情けねぇけど

でも、誰よりもお前を信頼してるから


ヒバリが負けるなんて、想像も出来ねぇし…




ごめんな、ヒバリ

守られてばっかで、何も出来なくて



でも、俺…もっと強くなるから

ヒバリが黙って背中を預けられるくらい、強くなってみせるから



だからもう少し、待っててくれよ










そして俺は、意識を手放した…――




Next...

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ