雲と嵐の恋愛事情

□Q
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「いよいよ明日は決戦だな!」

「ちょっと。僕は君と酒を飲む為に呼び出したわけじゃないんだけど」



明日はメローネ基地に突入するという前夜

雲雀は了平を財団施設に呼び出した




「わかっておる。雲雀が俺に話など、タコヘッドのこと以外考えられぬからな」

「わってるなら酒なんか持ってこないで。君、悪酔いしやすいんだから」

「一杯だけだ!」



そう言って了平はお酒の入ったグラスを雲雀に差し出す

雲雀は仕方なくそれを口にした



「で、どうするのだ?明日はお前も一緒に行くのだろ?」

「僕は此処に残る」

「な…!」

「クローム髑髏に発信機がつけられていた。恐らく、朝を待たずにミルフィオーレが突入してくる」

「囮に…なるつもりか?」



雲雀は何も言わずに酒を飲み干した



「そうか……雲雀らしいな」

「それで、隼人の事なんだけど」

「SISTEMA C.A.Iは完成してない……だろ?」

「ああ。今のままだど、彼は負ける」

「だから、俺にサポートしろ……って事だな。もちろんそのつもりだったが……よいのか?本当は自分でやりたいのだろ?なんなら囮は俺が…」

「僕には他にやることがあるからね」



白蘭を倒すには、沢田と入江の考えた作戦を成功させなきゃいけない

その為に、今は隼人にばかり構ってはいられない




「何を隠している?」

「え?」

「獄寺が言ってたぞ。雲雀が何か隠している…とな。ただでさえ沢田の事で情緒不安定になっているというのに貴様まで何をしているのだ!」

「……そう」



やっぱり、この時代の隼人には気付かれていたか



「今は言えない。そのうち分かるよ」

「信じて…よいのだな」

「沢田や他の連中はともかく、僕は隼人を悲しませることはしないよ」

「フッ、それもそうだな」



了平が笑みを浮かべると、扉の方からカサリと音がした



「にょおん…」

「お前は……タコヘッドのネコ助ではないか」



フラフラと覚束ない足どりで部屋に入ってくる瓜に、雲雀は優しい笑みを浮かべながら手を差し延べた




「おいで。君、酔ってるのかい?」



隼人はまだ、瓜をただの小猫だとしか思ってないようだけど

この子の存在が隼人を強くする



「明日はしっかり、隼人を守ってよね」

「にょー」



僕は瓜を抱き抱えたまま、立ち上がった



「何処に行くのだ?」

「この子を隼人に帰してくる」

「そうか…」



了平は雲雀を見送ると、無事に明日の決戦を終える事を願った























「あ、あんがとな、雲雀。いづれこの借りは返す、ぜ」

「……期待せずに待つよ、獄寺隼人」




きっと、君に逢うのはこれが最後


僕が君の為に出来る事はもうないだろう



振り返るな

君は、君の信じた未来を歩け











「もうすぐ逢えるね、隼人…――」




君に隠し事していた僕を、隼人はきっと怒るだろうね

でも、そんな君もたまらなく愛しいんだ





この戦いが終わって、次に目が覚めた時

隣に隼人の笑顔があればいい




そんな未来を、信じて…―――





Next...





***
個人的に雲雀と了平の関係はこんな感じです。
了平は絶対に獄寺には手を出さないので雲雀さんは何気に一番信頼してます←


次回からはようやく委員長のターン!

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