ごくどきっ!

□学校へ行こう!
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「隼人。もう少しきちんと服装整えて」

「指定のブレザー着てない雲雀には言われたくねーよ」

「これは風紀委員の正装だよ」



朝の登校途中

雲雀とのこういう会話は日常茶飯事だ




「じゃあせめて教室に行くまで第二ボタンは止めて」

「はぁ?なんでだよ?」

「校門付近はアイツが待ち伏せしてるかもしれないでしょ!」

「アイツって…」

「クフフ、おはようございます、隼人君v今日も相変わらず可愛いですね」



ああ、コイツか…


俺達の前に突如現れたのは六道骸

この並盛中学の生物教師だ




「現れたね、変態教師!隼人に指一本触れるな!!!」

「ただの幼なじみの雲雀君に牽制される謂れはありませんが?」

「教師が生徒に手を出すなんて風紀が乱れるでしょ。それだけの理由があれば十分だよ」

「おやおや。教師に恋愛感情抱いてる生徒にだけは言われたくありませんねー」

「なっ……僕と勇人さんはそういうんじゃ…」

「誰も獄寺先生のことだなんて言ってませんよ?」

「っ!?このっパイナップルがっ!!!」




校門前での雲雀と骸の言い争いも日常茶飯事だ

あー、他の生徒が怖がってるから早く終わらせてくんねーかな…


まぁ、そろそろ兄貴が…





「む〜く〜ろぉぉぉ」

「おや。おはようございます、獄寺先生」

「おはようございますじゃねぇ!!!もうすぐ職員会議が始まるだろーが!?とっとと職員室戻れ!それと生徒に喧嘩売るな馬鹿っ!!!」

「ちょっとしたコミュニケーションじゃないですか♪僕と雲雀君が仲良く雑談してたら気持ち悪いでしょう?」

「ん?確かにそれはキモい……ってそういう問題じゃねぇだろ!?」



兄貴は骸の耳を引っ張ると、そのまま引きずるように校舎へと入って行った



「悪かったな、隼人、恭弥」

「あ、ああ…」

「全く、勇人さんもあんな奴に構ってやる必要ないのに」



いつまでも不機嫌そうに顔を歪める雲雀に、相変わらず相性悪いんだなとため息をついた





「でも俺は別に骸のこと嫌いじゃないけどな。寧ろ好きかも」

「え………、な、なに言ってるの隼人!?あの変態に狙われてるって自覚ないの!?」

「狙われてるって、骸のはただの世話焼きだろ?もともと俺がなかなか授業に出ないからしつこく付き纏ってただけだし。
最初はウザかったけど、ああみえて結構博識だし、話は面白かったからな。授業も分かりやすいし、俺はいい教師だと思うけど?」

「っ…駄目だ!あんなやつ絶対認めないから!」



何故か怒鳴り散らす雲雀に、俺はムッと眉をひそめた



「別に俺が誰をどう思おうが雲雀には関係ないだろ!?」




そう怒りをぶつけて、俺は校舎へと歩みを進めた





「隼人をたぶらかすなんてね……あの変態パイナップル…………咬み殺すっ!!!」

















「獄寺先生、いい加減に離して下さい。耳が痛いです」



人気のない職員玄関まで来ると、それまで黙っていた骸が口を開いた



「骸……俺は何度も言ったよな?隼人には手ぇ出すな!!!」

「もう、そんなに怒らないで下さい。相変わらずのブラコンですねー。
心配しなくても隼人君が僕の生徒であるうちは手を出したりなんかしませんよ」

「おまっ、隼人が卒業したら出す気満々じゃねぇか!?」



マズイ

少なくとも隼人が骸に対して悪い感情を抱いていないのは見てれば分かる

今はまだそれが恋愛感情ではないが、それがもし恋愛感情になってしまったら……




「獄寺先生も、いい加減に隼人君を卒業しないと恋人出来ませんよ?」

「俺の事はどうでもいいんだよ!!」

「そうなんですか?」



そう言うと骸は、勇人の顎をひょいと持ち上げ、顔を近づけた




「もったいないですね、顔は好みなんですが」

「なっ///」



骸はクスッと笑うと、その場を去った


その背中を見送りながら、熱くなる頬を必死に押さえた





「ムカつくっ…!」



ぜってー人の事からかって遊んでやがる!!!


隼人にはちょっかい出すし、恭弥には喧嘩売るし………本当にムカつく野郎だ!!!


でも、












一番ムカつくのは、あんな奴に惚れてしまっている自分自身だ




「また喧嘩しか出来なかった…」







―――獄寺勇人、並盛中学数学教師



六道骸に不本意片想い中



ライバルは実の弟―――










この恋の病を治す方法はないのか…



「シャマルにでも相談するか」





 
 

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