うりごくパニック!
□E
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自分と一緒に風呂に入るというのは……なんとも変な気分だ
まぁ、雲雀と入られるよりは全然マシだけどな…
【うりごくパニックE】
「あのさ、隼人…」
「ん?」
「僕達が入れ代わったの……もしかしたら、僕のせいかも」
「はぁ!?」
まさかの瓜の発言に俺は驚き、風呂で溺れそうになる
「けほっ、」
「隼人、大丈夫?」
「あ、ああ…」
風呂で溺れて死ぬ(しかも瓜の身体で)なんて末代までの恥だ
瓜の手を借りながらも何とかお湯から顔を出し、瓜を見上げる
「瓜のせいって……どういう…?」
「一昨日の夜、雲雀が泊まりに来たでしょ?」
「あぁ、」
「あの日、夜中に目が覚めて寒かったから隼人達の布団に潜り込もうと部屋に行ったんだ」
「!!!???」
ちょ、ちょっと待て!落ち着け!
というか誰か俺を落ち着かせてくれ!
一昨日の夜?俺の部屋にって…
まさか…―――
「そしたら隼人と雲雀が裸で抱き合っ…」
「だぁぁぁぁぁぁ!!!!それ以上は言うな!!///」
み、見られた!?
アレを瓜に見られてたのか!?///
「つ、つーかそれと俺達が入れ代わったのとどんな関係があんだよ!?」
「だって、隼人が凄く気持ち良さそうだったから…」
「なっ…!」
「だから、僕も人間になれば雲雀みたいに隼人を気持ち良く出来るのかなって…。
昨日そんなこと考えながら寝たら朝こうなってた」
「瓜…」
それはつまり…俺の為?
いつも雲雀にばっか懐く癖に、ちゃんと俺の事も考えててくれたのか…
「でも、もし本当にそれが理由で入れ代わったんだとしたら………どうすれば戻るんだ?」
「僕が猫に戻りたいと思ったら?」
「ちなみに、今は?」
「隼人の姿だと雲雀がいつも以上に優しいから戻りたくない」
「で、ですよねー;;」
これはつまり……瓜の気が済むまで元には戻れないってことか(泣)
「あ、二人とも。ご飯出来てるよ………って、どうしたの隼人?元気ないみたいだけど…」
「なんでもない…」
「魚だぁ!雲雀、食べていい?」
「もちろんだよ」
「ワーイ!頂きます!」
風呂から上がるなりいきなり飯に食らいつく瓜を見ながら、瓜は気楽でいいなと余計にテンションが急降下する
本当…どうしたら瓜は猫に戻りたいと思ってくれるのだろうか…
「隼人、おいで」
「え……ちょ!?」
突然感じた浮遊感
気が付くと俺は雲雀の膝の上にいた
「な、なんだよいきなり!?」
「なにって、此処が瓜の定位置でしょ?」
「なっ…俺は瓜じゃねぇ…!!!」
「ほら、隼人。あーん」
「人の話を聞けよ!?」
でも、いつも雲雀の膝を占領する瓜を羨ましいと思っていたのが事実で…
だから、実はちょっと嬉しいと感じてしまっているのは雲雀には内緒だ
この時、俺は気付いていなかった
そんな俺達を複雑そうな瞳で見つめる瓜の姿に…―――
*翌朝*
「も、戻ってるー!」
目を覚ますと、俺は自分の身体に戻っていた
でも、どうしていきなり?
あっ、まさか昨日は俺が雲雀の膝を占領してたから、それで瓜が元に戻りたいと思ってくれたのか!?
よく分かんねぇけど、取り合えず戻ってよかったー!
「雲雀!起きろよ雲雀!」
嬉しさのあまり、隣で寝ている雲雀に声をかけると雲雀はうっすらと目を開いた
「聞いてくれよ雲雀!俺達元に戻って…」
「おはよう、隼人」
ペロリ
「え?」
目を覚ますなり、雲雀がいきなり俺の頬を舐めた
キスされることは何度かあるが、舐められるのははじめてだ
これじゃ、まるで瓜みたいだ……………え?
「ま、まさか?」
「よかった。これでようやく隼人を気持ち良くさせてあげられる」
「ひ、雲雀?」
まさか、本当にお前…
「ワオ。どうして僕の前で僕と隼人がいちゃついてるの?」
そう放ったのは瓜で………それは決定打に近い一言
「う、嘘だろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
どうやら俺達は、まだしばらく瓜の我が儘に付き合わされるらしい
End!!!
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オチが微妙…!
これにて拍手プチ連載『うりごくパニック』終了です!
このあとちゃんと元に戻れたのかは皆様のご想像にお任せしますv