小ネタ

□欲しいもの(綱獄)
1ページ/1ページ





俺が命令すれば、獄寺君はきっと何でもいうこと聞いてくれる



誕生日に俺以外と逢わないでって言ったら、きっと喜んで実行してくれるだろう




でもそれは…




俺が"10代目"だからなの――?







【欲しいもの】







結局、獄寺君の誕生日は皆で過ごすことになった



当然のように山本はいるし


群れるのが嫌いなはずの雲雀さんや、何故か骸まで…




わかってはいたけど、獄寺君はモテる



女にもだけど、男に……





「ごくでらぁ〜!俺からの誕生日プレゼント!!!指輪なのな〜薬指に嵌めてな♪」

「果てろ」
「咬み殺す」
「巡れ」




山本があの三人(主に雲雀さんと骸に)制裁されるのももはや日常風景


本当、山本は学習しない






でも、ああいう風に自分の気持ちを素直にぶつけられるのは


正直うらやましい…






俺はそんな勇気のない、ダメツナだから






断られるのが怖い訳じゃない


寧ろ99パーセント、獄寺君の答えは『OK』だろう





俺が…10代目だから……








「10代目?どうかしたんですか?元気、ないみたいですが……」


「え?そんな事ないよ!?ごめんね、ちょっと考え事してたんだ」


「そう、ですか…ならいいんですが」





ダメだな、俺は


獄寺君の誕生日なのに、獄寺君に心配かけて…




心配かけないように笑わなきゃね!














「じゃあな〜ツナ〜」

「お邪魔しました!10代目!!!」

「うん、また明日」




皆の姿が見えなくなって、家に入ろうと振り返った


その時……





「10代目!!!」


「獄寺君…?もしかして忘れ物?」


「いえ、そうじゃなくて…その、やっぱり元気がなかったみたいだったので……」




いつも通りに笑ってたはずなのに…


獄寺君は俺のことになると敏感だよね




凄く嬉しい


でも、期待しちゃうじゃないか





「ごめん、本当…なんでもないから」


「10代目!!!」




突然、獄寺君が強気な態度になった





「誕生日プレゼント……貰ってもいいですか?」


「へ?プレゼント…?」


「はい、俺……10代目の笑顔が欲しいです」




俺の笑顔……?




「図々しいのは重々承知です。でも、年に一度の誕生日に…1番大切な人には笑っていて欲しい、です」



1番…大切な人……



「それは、俺が10代目だから?」


「え…?」




何聞いてるんだ、そんなの『当然です』って返されるだけじゃないか




「…ごめん、何でもな…「俺は」





「俺は、10代目が本当はマフィアになりたくない事を知っています。

だから、貴方が本当にマフィアになりたくないのなら、無理してなって欲しくはないです」


「獄寺君…」


「でも、やっぱり俺は10代目にマフィアになって欲しいです。

じゃないと、俺が貴方の側に居る理由が無くなってしまいます。


これからも……貴方の隣に居たいんです。

10代目じゃなくて…沢田さんの側に……」






ああ、今日は獄寺君の誕生日なのに


俺が最高のプレゼント…貰っちゃったな







「ねぇ、獄寺君。ボンゴレとか、マフィアや右腕だとか一切関係なしに聞いて欲しい事があるんだ」


「はい、なんでしょうか?」


「俺ね、獄寺君のこと―――」








1人の男として




好きなんだ……―――





End...



***
再録4弾。続きます→

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ