小ネタ

□続・欲しいもの(綱獄)
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獄寺君と恋人になって1ヶ月とちょっと

今年も俺の誕生日は昨日リボーンと一緒にパーティーをしたから、今日はなんの予定もない



だから出来れば獄寺君と2人っきりで過ごしたいな……なんて思った俺が馬鹿だった





「おはようございます!10代目!!!」

「はよっす、ツナ!」



やっぱり邪魔するんだね、山本…




俺と獄寺君が付き合い出した事は山本も知っている

なのにこの男は今まで以上に獄寺君に付き纏っている


獄寺君の右斜め後ろを見ると必ず山本がいる



ストーカーかお前は?







「10代目!お誕生日おめでとうございます!」

「ありがとう、獄寺君」

「あ、そういえばツナの誕生日だったな!おめでとう!」

「………ありがとう、山本」




なんだそのついでみたいな扱いは?

世間一般的には俺達って親友じゃなかったっけ?



ってか今思い出したみたいな言い方だったけど、本当は覚えてたんだろ?

覚えててわざと獄寺君と一緒に迎えにきたりしたんだろ?




まぁ、いいや

例え世界がひっくり返ろうとも獄寺君が山本を好きになることはないだろうし…


山本なんかより厄介なのが他にいるしね(1番うざいのは山本だけど)

ほら、例えば…





「おはよう、隼人」



この人とか…



「よっ!雲雀!風紀チェックか?朝から大変なのな!」

「隼人、また服装が乱れてるよ。アクセサリーも禁止」



無視だー!!!

完全に山本を無視したよこの人!?


いや、寧ろ本気で山本の存在に気付いてない?




「風紀違反だよ。ちょっと応接室まで来て」

「はぁ!?ふざけんな!!!俺は10代目と教室に…」

「へぇ、じゃあその10代目がどうなってもいいの?」

「ぐっ…!」





出たーーー!!!雲雀さんの脅し!

しかも俺を守る為に獄寺君は絶対に拒めない…




「わかったよ、行けばいいんだろ…。10代目、ちょっと行ってきますね」



そうして獄寺君は雲雀さんに連行されて応接室へ…








***



「すみません10代目…こんな時間までお側を離れてしまって…」


ようやく雲雀さんに解放されたらしい獄寺君が姿を現したのは放課後だった



謝らなくていいんだよ、獄寺君…だけど



一体こんな時間まで雲雀さんと何してたの?




服がちょっと乱れてる気がするのは気の性だよね?

まさか大人の階段昇ったりとかしてないよね…?





怖い…聞くのは怖いけどやっぱり気になる!!!




「獄寺君、雲雀さんと何してたの?」

「そっ、それは///」



え?なんで真っ赤?


そんなに顔を赤くしちゃうようなことしてたの?



「俺には…言えないこと?」

「違います!ただ…俺は10代目に嫌われたくなくて…」

「そんな事で獄寺君を嫌いになったりしないよ。俺のこと信用出来ない」

「10代目ぇ…実は雲雀に無理矢理服を脱がされて…」




ああ、やっぱり


獄寺君は雲雀さんと――――








「コスプレさせられてたんです!!!」



そう、コスプレ…………え?



「そ、それだけ?」

「それだけですけど…でも、セーラー服とかナース服とかみんな女物なんですよ?」



わぁ、それは凄く見た……じゃなくて


雲雀さんって実は結構奥手なんですか?





「10代目?俺のこと嫌いになりましたか?」

「ううん!ただ…」

「ただ?」

「俺も見てみたいな…獄寺君のコスプレ」

「っ!?///」



獄寺君が顔を真っ赤に染める



「そ、その///10代目が、望むなら///」

「うん、じゃあまた今度ね。今日はもう帰ろ!」

「はい!」





邪魔な山本は部活でいないし、ようやく獄寺君と2人っきりで過ごせる………





「こんにちは、隼人君」





わけないか(泣)





「骸?何しに来たんだよ?」

「隼人君に渡したい物がありまして」



そういって骸が取り出したのは2枚の紙

それを見た瞬間、獄寺君の瞳が輝き出した




「スゲェー!!!世界珍獣展のプレミアチケット!!!どうやって手に入れたんだよ!?」

「クフフ、隼人君の為ですから」




直球の山本

脅しの雲雀さん


そして骸は物でつるのか、俺の獄寺君を!!!





「それ、今日が最終日らしいですよ。今から僕と2人で行きませんか?」

「今から?」



ちょっ!今日は俺の誕生日なんだよ!?

このまま恋人らしいこと出来ないまま終わるなんて……


しかも骸の勝ち誇ったような顔

やっぱりわざとか!?

俺の誕生日だと知ってての陰謀だな!?





「骸、悪いけど行けねぇ…」

「え?」

「隼人君!?今日が最終日なんですよ!?」

「そうだけど…でも、今日は珍獣展なんかよりも大切な人の大切な日だから」

「獄寺君……」

「つーわけだから、またな骸。行きましょう、10代目!!!」

「うん!!!」





骸が悔しそうに顔を歪めてたけど、そんなの気にしない


やっぱり獄寺君は俺だけの獄寺君なんだよね






「ねぇ、獄寺君」

「はい、なんでしょうか?」

「今から獄寺君ん家に行ってもいい?」

「もちろんいいですよ!」

「本当?じゃあ…」





俺は獄寺君の耳元でそっと囁いた


獄寺君は驚いて目を見開いたあと、赤くなりながらも首を縦に振った







獄寺君の全てが欲しいなんて…


ちょっと欲張り過ぎかな?





End


***
2008年ツナ誕生日再録。

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