小ネタ

□愛人×0=59(リボ獄)
1ページ/1ページ






今年も俺の誕生日はツナとの合同パーティーで幕を閉じた




「リボーンさん!」




パーティーの後、話があると俺を呼び止めたのはボンゴレ嵐の守護者でツナの右腕の獄寺だった


10年前はツナの片腕を任すにはまだまだ危なっかしかったが、今となっては立派にツナをサポートしている

そのへんは俺も認めてる




「どうした?」

「プレゼント、お渡ししたくて。エスプレッソなんですが…」

「ほぉ、随分と上等な奴だな。これはなかなか手に入らねーだろ?」

「リボーンさんの為ですから!」



そう言って満面の笑みをする獄寺

この笑顔を向けるのは俺とツナだけ


ツナにも向けてるのが気にくわねーが




「獄寺、この後時間あるか?」

「この後ですか?ありますけど…」

「なら俺の部屋に来い。このエスプレッソ入れてくれ」

「はい!もちろんです!………でも、良いんですか?その…姉貴、とか」

「ビアンキとは今朝逢ったから問題ない」

「そう…ですか」




そう言って獄寺が少し暗い顔になった




正直、俺と獄寺の関係は複雑だ


キスはする

それ以上の事も…



だが、言葉にはしない

獄寺にとってツナが1番だということは10年前から決して変わる事のなかった事実だから




だが、お前が望むなら俺は―――







「獄寺、俺の愛人になるか?」

「え?」



愛人でも構わなかった

それで獄寺が手に入るなら、側に縛り付けておけるなら



獄寺は頷いてくれる、そういう自信もあった



だが、獄寺は首を縦には振らなかった





「嫌、です」



息が、止まるかと思った



「愛人には…なりたくありません」



拒絶…された?



珍しく動揺した

獄寺の言葉が理解出来なかった






「俺はリボーンさんの特別になりたい」



一瞬、頭の回転が追い付かなかった



「ごくで…」

「すみません!厚かましいですよね!今日はやっぱり遠慮させて下さい。これ以上、自分が特別なんだと勘違いしたくないので…」



そう言って背を向ける獄寺の腕を強く掴んだ




「リボーンさん?」

「勘違いしてろ。お前は俺の特別だ」

「っ!」

「獄寺が望むなら、愛人とは全て手を切る。獄寺1人だけでいい」




どんなに愛人を作っても満たされはしなかった


本当に欲しかったものは愛人なんかじゃなかったから


ずっと、手には入らないと思っていた…






「そんなことしたら…俺が姉貴に殺されます」

「安心しろ。俺が守ってやる」




世界一のヒットマンに守られるんだ、光栄に思え

そう告げると獄寺ははにかむように笑った



ツナにも見せたことのない…笑顔だった







ようやく俺は



1番欲しかったものを手に入れた―――




End


**
再録終了ですv

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ