小ネタ

□肩耳のピアス(D獄)
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※2009年獄誕記念
※D獄




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【片耳のピアス】




「Buon Compleanno HAYATO!!」



9月9日、水曜……授業中

窓の外には鮮やかな金髪がこちらに笑顔を振り撒いていた




「でぃ、ディーノさん!?」

「ちわーっす!」

「おお!ツナ、山本も久しぶりだな〜」



脳天気に挨拶を交わすディーノに、俺は怒りを覚える



「てめぇ……なに考えてやがんだ!?授業中だろ!見てわかんねぇのか!?」

「そう言うなって。せっかくロマーリオ達追っ払って逢いに来たんだから」

「追っ払ってって……じゃあ部下は…」



俺が言いかけると、ディーノの突然姿を消した

否、滑って窓から落ちた


ちなみに教室は三階にある




「ディーノさん大丈夫ですか!?」

「あ、ああ……なんとか…」




もう呆れてため息しか出ない

部下いねぇのに無茶な事してんじゃねぇよ!!




「10代目、ちょっとアイツ絞めて来ます」

「あ、あはは…ほどほどにね…」




そして俺は教室を飛び出してディーノがいる裏庭へ向かった















「…本当に、なにしに来たんだよお前は!?」

「なにって…今日は隼人の誕生日だろ?祝いに来たに決まってんじゃん」

「だからって学校に来るな!夜は予定空けといたんだから、夜来ればいいだろ!!!」

「隼人…もしかして俺の為に…」

「ち、違ぇ!!たまたまだ!たまたまっ!!」



嘘だ

本当は10代目からお誘いを承けたが、恐らくディーノが来るだろうと予測して断った




「そんな怒んなって。1秒でも早く隼人に渡したくてさ」

「渡したい?」

「この間、雑誌見ながら欲しいって言ってたアクセサリーあるだろ?あれが手に入ったんだ」

「はぁ!?マジかよ!?あれ1点物だから入手不可能だと思ってたのに!」

「隼人の為に頑張ったんだぜー」



そう言ってディーノがポケットに手を入れると、その表情が一気に曇り出した



「あれ!?確かにここに入れたはず…」

「お前……まさか」

「お………落としたっぽい」

「このっ、へなちょこ!!!」



激レアアクセだぞ!?

世界に1つしかないんだからな!


マニアが喉から手が出るほど欲しがる代物を落としたって…!




「あ、あれ…?おかしいな;;まさかさっき落ちた時に…」




そう言ってディーノは地面に膝をつき、辺りを捜索し始めた

仮にもボスが地面に足をつくなんて…ロマーリオのおっさん達が見たら泣くぜ?



まぁ、部下達はディーノのこういう所に惹かれてるんだけどな…

そういう俺も、そんなディーノに惹かれちまった一人だし






「ディーノ、もういい」

「でも…せっかく用意したプレゼントなのに…」

「だからいいって。代わりに、それが欲しい」




そういって俺が指さしたのは、ディーノの耳に輝くピアスだった




「え…?こんなんでいいのか」

「ああ、片耳だけでいいから」

「片耳だけ?それに、隼人ピアスホール空いてたっけ?」

「そんなん直ぐ空けられるだろ。それに、もう片方は……俺がディーノの誕生日の時にプレゼントしてやるっ!」

「隼人…!」



すると、ディーノが瞳を輝かせて俺を強く抱きしめた



「愛してるぜ、隼人!」

「ちょ!こんな所で抱き着くな!!!」

「ピアスホールは俺が空けてやるな!」

「それだけは止めろ!!!」



へなちょこな恋人だけど…、忙しい癖にこうして逢いに来てくれる


そんなディーノが心の底から愛しいと思った――――そんな9月9日





















「なぁ、ツナ。そろそろ止めた方がよくないか?」

「そうだね…、そろそろ教室の真下だって気付いて欲しいね…」





この日から、『獄寺隼人ファンクラブ』が『獄寺君と金髪美青年を見守り隊』に改名したことは…………獄寺君には黙っててあげよう




End!




***
間に合った!初のD獄ですv

たんにプレゼントを無くすディーノさんが書きたかったんだ(笑)

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