小ネタ

□2番目の恋(雲獄前提、獄ハル)
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※雲獄前提の獄ハルです。
※雲獄は両想いですが結ばれません。悲恋です。
※雲雀に婚約者がいます。
※ハル→ツナ京要素あり。ハルが好きなのはあくまでツナです。
※最終的には獄ハルです。


※こんなカオスな設定でも大丈夫な方のみの閲覧でお願いします。
苦情は一切受け付けません。


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10代目と笹川の婚約パーティーが開かれた


アイツはそのパーティーにいつものように笑顔を振り撒いて『おめでとうございます』と、二人の祝福をしていた


でも、俺は知っている

パーティーが終わった後、アイツが―――ハルが一人で、泣いていたことを



その姿は、数ヶ月前の自分を見ているようで、苦しかった


そして俺は、気がつけばハルに手を差し延べていた





「なぁ、ハル。俺を好きにならないか?」

「はひ…?」

「俺も……お前を好きになるから」




これは同情なんかじゃない

俺はそれ程お人よしじゃない



これは単なる、逃げだった








-2番目の恋-

















「雲雀ー。これ、頼まれてた匣の資料」

「…隼人。まさか君が直に届けてくれるなんて思わなかったよ。そんなに僕に逢いたかった?」



そう言って、雲雀は俺の頬に触れながら微笑む

既に見慣れたはずのその仕種に、俺の心臓が悲鳴を上げた




「そうだな、ちょっと話があって」

「話?じゃあ場所変えようか。ちょうど夕食時だし、レストランでも…」

「ここでいい」

「え?」

「雲雀………俺な、」



雲雀が不思議そうに俺を見つめた

見るなよ、俺はもう……この関係を終わりにしに来たんだから




「俺………、ハルと結婚することにしたんだ」



雲雀が目を見開く

何かが一瞬で崩れ落ちた



ごめんな、雲雀

でも俺は、お前にとっての唯一の存在で在りたかったんだ















事の始まりは2ヶ月前

雲雀に、婚約者が出来た



それは所謂、政略結婚というやつで、跡取りを残す為には仕方がない事だった

それは俺も理解出来た。でも、納得は出来ねぇ




「言っとくけど、僕は隼人と別れるつもりはないから」

「え…?」

「結婚は…する。でも、君を手放したりはしない。相手の女にも言って、ちゃんと理解してくれたよ」

「っ……雲雀」



嬉しかった。手放さないと言ってくれたこと。

でも、同時に苦しかった。


なら俺は、雲雀の浮気相手か?愛人か?

そんなのは嫌だ。堪えられる訳がない…。


雲雀が、俺以外を抱くなんて……想像したくない。



雲雀が、好きだから。だから苦しい。でも、差し延べられた手を、突き放す事も出来ない。



俺はずっと探していたのかも知れない。この関係を終わらせるきっかけを…。



そしてそれが、ハルだった。













「三浦と……結婚?なに、言ってるの?あの子が好きなのは、沢田でしょ…?」



珍しく雲雀が動揺している。
無理もないだろう、2ヶ月前の俺も、同じだったのだから。




「ハルが1番好きなのは、10代目だ」

「なにそれ?沢田が結婚するから同情でもしたの?」

「違う」

「違わない!」

「っ……違うってんだろ!?」



散々悩んだ。

ハルの手を取る事も、雲雀と別れる事も。
それで決めたんだ。だから、今の俺に迷いはない。



もう、終わりにしよう。雲雀。




「…本気、なんだね」

「ああ」



流石、10年も隣にいただけはある。目を見ただけで、俺の想いが伝わる。

今までだったら、それが凄く嬉しかったのに、今はただ…切ない。




「全部、捨てる」

「え…?」

「君以外の全てを捨てる。家も、財団も全部。そう言ったら隼人は、僕に着いてきてくれるかい?」


その言葉に、俺は思わず笑みを浮かべた。

嬉しかったからじゃない。ただ、虚しくて……笑う事しか出来なかった。



「俺の知っている雲雀は、そんな事言わねぇよ。雲雀は並盛を捨てられない。俺が、ボンゴレを捨てられないのと、同じでな」

「……そう」



そして気がつけば俺は、雲雀の腕の中にいた。

雲雀の体温、雲雀の匂い。その全てが、堪らなく愛しい。




「ごめんね、隼人」

「……」

「幸せにしてあげられなくて、ごめん」

「幸せ……だったぜ」



10年間、雲雀の隣にいて、雲雀と恋が出来て……俺は確かに、幸せだった





「ありがとな、雲雀」




俺を愛してくれて、俺に……愛を教えてくれて、ありがとう


そして、さようなら…―――















最後に交わした口づけは、涙の味がした



















***

 

「あ、獄寺さん!」

「……ハル」



ハルに笑顔が戻った。

いや、多分俺の前だから必死に笑ってるだけだろう。



「お前、その獄寺さんつーの辞めろよ。お前も獄寺になるんだから」

「はひ!は、隼人さん…ですか?」

「よし」

「な、なんか照れますね」

「慣れろ」



フッと照れ臭そうに笑っていたハルに、笑顔が消えた




「隼人さん、」

「なんだ?」

「無理しないで、下さいね?」

「……」

「ハルはやっぱり…ツナさんが好きです。多分、その気持ちは一生変わりません。だから…」

「俺は」

「はひ?」

「俺は、ハルを利用してる。俺にも好きな奴がいるんだ。10年……そいつと付き合ってた」

「10年も、ですか?」

「そいつにはもう、婚約者がいて……だから、そいつを忘れる為にハルを利用した。だからお前も、俺を利用しろ。
少なくとも俺はお前のこと、嫌いじゃねぇから」

「隼人さん…」



ハルに少しだけ、笑顔が戻った



「知ってますか?」

「何を?」

「人は、2番目に好きな人と結婚するのが1番幸せになれるんだそうです。
ハルは2番目に隼人さんが好きです。だから、ハル達は幸せになれますね」

「……残念だったな。俺はそいつと10代目を入れたらお前は3番目だ」

「はひ!?酷いですー!!!」

「ははっ、でも……10代目よりかは、好きになってやるよ」





雲雀よりとは、言えなかった





俺は、一生分の恋をした


別れが辛くなかったと言えば嘘になる

でも、この恋に後悔なんてなかった


精一杯の、恋をした






そして今、新しい愛が生まれた



それは、恋愛より、友愛に近い感情。

それでも、この笑顔を守り続けることが、新たな俺の幸せになる。



そう、核心出来る。










雲雀、お前は今………幸せか?




End...


***
あとがき

すみません;;どうしても書きたかった;悲恋です。

はい、二人がちゃんと女の人と結婚しちゃう話が書きたかったのです。
獄寺の相手がハルなのは和姫が獄ハル好きだからと言うのもありますが、ハルなら獄寺の気持ちを1番理解してくれそうだからです。

本当すみません…。懲りずにこれのツナ獄Verとか書くかも知れません←

ツナ様が京子ちゃんと結婚してしまって、同時に失恋する獄ハルとかw

いや、かなりグチャドロな話になりそうなので自重します(笑)



最後までありがとうございました!!!

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