小ネタ

□ニット帽と恋の伝え方(柿獄)
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※2010年、千種誕生日記念、柿♀獄小説
※骸様が色々と残念な人です(笑)



*****




「あのさ…ハル。お前、裁縫得意だよな?」

「はい、着ぐるみとか作ってますし」

「編み物とかも出来るのか?」

「出来ますよ!最近寒くなってきましたからね〜。マフラーでも編むんですか?」

「あ、いや…マフラーじゃなくて、」

「はひ?」

「……ニット帽」







―ニット帽と恋の伝え方―









「最近、隼人君が姿を見せませんねぇ…」



黒曜ランドの奥にある部屋のソファーで、骸はため息をついた




「最近は僕の為に毎日のように手作り弁当を作って下さっていたのに、」

「クロームにって言ってたびょん」

「うるさいですよ、犬。そんなの隼人君の照れ隠しに決まってるじゃないですか!!!
ああ…!照れ臭そうにお弁当を差し出す隼人君!なんて可愛らしかったことでしょう!!!」



一人で回想モードに入る骸に、犬は冷たい視線を送った



「柿ピー……あの骸さん、なんとかならないびょん!?」

「めんどい」



そう言って千種はため息をはくと、徐に窓の外を眺めた

すると、視界に入った銀色を見て、席を立つ




「おや?どこに行くのですか、千種?」

「……散歩に、」

「「散歩???」」



そう言って部屋を出ていく千種に、骸と犬は首を傾げた




「あのめんどくさがりの柿ピーが…」

「散歩?」




















「黒曜ランドにまで来たはいいが……なんて言って渡せばいいんだよ、」



獄寺は手に持った袋を握りしめた



今までの弁当はクロームのついでだ、って言えば照れ臭いながらも渡す事が出来た

しかし、これはそうはいかない


あー緊張してきた!ダメだ!こんなんじゃ渡せるわけねぇ…


しょうがない、今年は諦めて……




「なにしてるの、獄寺」

「ぎゃー!!!!」



突然背後から声をかけられ、慌てて振り返ると、そこには千種の姿があった



「なっ、ななな…なんで!」

「窓から見えたから。またお弁当?」

「あ……いや、今日はそうじゃなくて…」

「…そう、骸様が楽しみにしてたよ」

「え?」



どうして…骸の名前が?



「いい加減告白したら?大丈夫だよ、両想いだから」

「えっ……お前、なに言って?」

「ああ、二人っきりがいいんだったらめんどいけど犬連れ出すから。その方が告白しやす…」

「なんで俺が骸に告白しなきゃいけないんだよ!?」



突然怒鳴り出した獄寺に、千種は首を傾げる



「好きなんでしょ、骸様の事」

「なっ…違ぇよ!!!第一、俺が骸のこと好きでもいいのかよ!?」

「……俺は、骸様が幸せなら、」

「っ…」



その言葉に獄寺は下唇を噛み、持っていた袋を千種へと投げつけた




「ならもう知らねー!!!」

「っ……獄寺?」



走り去っていく獄寺の後ろ姿を見ながら、千種は呆然とした


俺が、何か変な事を言ったのだろうか?



「この袋…」



袋は綺麗にラッピングされており、千種は徐ににその包装を解いた

そして、中から出てきたものは…




「ニット帽?」




所々穴が空いているところを見ると、恐らく手作りなんだろう

獄寺が編んだのか?



骸様の為に…?





いや、骸様に帽子は不自然だろう

帽子なんて被ったらパイナッ………骸様が骸様でなくなる



だとしたら、これは…




「っ……獄寺!」




















「なんなんだよ千種の奴!」



骸様骸様って!

そんなにあのパイナップルが大切なのかよ!!!



「そんなに骸が好きなら骸と結婚しろー!!!!」

「無理だよ」

「へ?」



振り返ると、珍しく息を切らした千種の姿があった



「なっ……なんで、」

「これ」



そう言って千種が取り出したのは、俺がさっき投げつけた手作りのニット帽




「っ……」

「これ、もしかして俺に?」

「……そう、だよ///」

「どうして…」

「誕生日なんだろ!!!…その、クロームから聞いた」

「そうじゃなくて、どうして誕生日だからって俺に?」

「そ、それは///〜〜〜〜っ、それくらい察しろ!バカ!!!」




真っ赤になる獄寺に、千種は滅多に見せることのない笑顔を見せた

その笑顔に、獄寺は更に顔を赤くする




「ありがとう、獄寺」

「お、おぅ…」





骸様が幸せならそれでいい

そう、思っていた



だけど、





(すみません、骸様)





俺は彼女に、恋をしました





















「おや?千種、その穴だらけのみすぼらしい帽子はどうしたんですか?」

「獄寺に貰いました」

「ああ、成る程!隼人君に…………え?





えぇ!!!!????」




End?



****
初の柿獄ですw
骸さんが哀れ(笑)

地味に好きです、柿獄。でも骸獄←柿が一番好きですw
柿ピーが切ない感じが好き。一番はやっぱり骸様と獄寺の幸せですから。


千種、お誕生日おめでとう(*^▽^)/

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