花ざかりの君たちへ

□I know…
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「今の俺の願いは、お前が俺の視界から消えることだ」

彼から発せられた言葉が、冷たい刃となって、あたしの心に突き刺さる。

今、はっきりとあたしは覚醒した。

彼に拒絶された―

あたしが彼に拒絶されていることくらい、本当は薄々分かっていた。なのにどうしてこんなに悲しくなるんだろう?

呼吸が震える。
一滴の雫が、頬に伝うのを感じる。一滴だった雫は、段々と数が増えていく。

こんな姿、誰にも見られたくない。
そう思い、あたしは部屋を飛び出して、寮のベンチで一人腰を下ろした。

そして、久しぶりに声を上げて泣いた。

泣いて泣いて、声が枯れるまで泣いた。

あたしは彼からハイジャンを結果的には奪ってしまった存在だ。
だからもう一度彼を飛ばせる為に単身帰国し、桜咲学園に性別を偽り、転入した。


彼に拒絶されてもまだ、彼のそばにいたい、彼の笑顔を見たい、彼の飛ぶ姿を見たい―なんて、あきれるよね。
ただでさえ、あんなこと言われたばっかりなのに・・・。


それでも・・・・、まだ帰れない。

(カミサマ、アタシハワガママデスカ?)
 

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