花ざかりの君たちへ

□Summer Story
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ガタンゴトンガタンゴトン・・・・。
と音を立てる新幹線。
その中には瑞稀、佐野、中津、難波、中央、関目が乗っている。

この一行は夏休みを利用して新潟に旅行へ行くのだ。

「新潟って雪国だろ?雪国美女をゲットするぞー」
こんなせりふを吐いているのはもちろん、学園内一のタラシ・難波南であった。
となれば当然中央もついてくるわけだ。
「難波先輩にくっつく虫を排除しなくちゃね!」と・・・。

事の発端は一月前。
梅田北斗の姉である伊緒が
「友達が新潟で民宿を経営してるの〜。招待券があるんだけど、瑞稀君たち行かない?あたしは行けないから。」
と言い出したことがきっかけであった。

いよいよトンネルを抜け、これが冬ならまさに「トンネル抜けたら雪景色」だが・・・・、今は夏。当然雪など降っているわけがない。
「あー、あれってもしかしてスキー場かな?」
瑞稀が言う。
「おー、ホンマや。やっぱ雪国やのぉ。新潟は」
一方中津はまた「瑞稀と夏の新潟で親密な関係に・・・。」と一人妄想タイムに入っていた。

さてさて佐野はというと・・・。

瑞稀はふと首をかしげた。
(佐野・・・、さっきからずっと窓の外ばっかり見てる。)
佐野はスキー場の方をずっと眺めている。
「佐野?どしたの?」
「・・・何でもねえよ。」
(ふぅん・・・?まぁ良いか。)
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