NOVEL

□日々
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振り向いたんだ。あの時。




あの子の名前は、なんていうんだろうって。




最初は確かに相手にするのが面倒くさかったけど、朝、教室に入る度に聞こえてくる声に、屈託のない笑みに、徐々に徐々に引かれていって。




授業中の熱い視線や、たまに登校時に見た後ろ姿。




気付かない内に、自分からも視線を向けるようになっていた。



これが、恋の始まりだと気付いたのは、あの時。




初めて、キスをした時だ。








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