ミニNOVEL
□甘いご褒美
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拍手小説「甘いご褒美」
今日は学園祭。
俺の恋人、日向井冬真のクラスを目指しゆっくりと歩きながら1年の階にやってきた。
もうすぐ日向井のクラス。
そういう時に限って邪魔者が来るもので。
「北川ー!お前のクラスで小火出たって!」
後ろから聞こえてきたその声に驚きながら振り返ると、涼輔が赤い髪を揺らして走ってくるのが見える。
「小火って…俺のクラスはホストクラブだぞ?なんで小火?」
「なんか客に誕生日の奴が居たらしくて、ケーキに花火つけたらそれが燃え広がっちゃったらしい。」
「はぁー?」
「だからお前のクラス全員集合かけられて正座させられてる。」
まじでか。
全く関係ない俺も正座?意味不明。
もうすぐ日向井に会えたのに…
「行くぞ!担任カンカンらしいし。」
涼輔はせかすように俺の腕を引っ張り走り出してしまった。
段々と遠くなる日向井のクラスに心の中でさよならと叫びながら、俺は地獄と化した自分のクラスに戻っていった。
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