NOVEL

□視線
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つまらない日常

くだらない授業

汚い笑い声

生きる事には意味などないと思っていた。

この灰色の世界にたったひとつ

綺麗な赤を見つける前までは




2講時目、窓際の自分の席からグラウンドを見渡すのが毎日の日課だった。

前までは花壇を見るためだった。この時間は日の光が丁度花壇に当たり、綺麗に光るからだ。

でも今は、目的が少し違う。

毎日この時間に裏門から来る男。


真っ赤な髪の毛を揺らしながら、眠そうに大きなあくびをする。

あいつは同じ学年の神楽涼輔。
この学校で過ごした時間ももう3年近くになるが、奴の名前を知ったのはつい1ヶ月ほど前だった

グラウンドであいつを見てからだ

赤い髪の正体を知るには時間はかからなかった。
校則は全く厳しくないが、赤い髪なんて他にはあまりいないし、なにより悪目立ちする奴だったから

神楽は毎日2時間目にやってきて、同じ行動をする

裏門をくぐると近くにある花壇の前でしゃがみ込み、少し動かない
そして近くの水場からホースを引っ張り、花に水をやる。
水が虹を作り、花についた水滴が太陽の光で光る。
それを満足そうに見てから、神楽は校舎へ入ってくる。

今日も同じだろう
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