星矢book

□手強い敵
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どん、と背中をしたたかにぶつけた衝撃に息を詰めた
ずるり、と背面の崖にそうように座り込む

『シュラ!!』

「大丈夫だ……っ!!」

武器が―――エディルレイドの紫龍が心配そうに声をかけるが、一言で返し再び立ち上がった
ふらり、と体がよろめく
その様に相手は困ったようなため息をついた

「あのさ、俺達の目的はそのエディルレイドの保護なんだよ。悪いようにはしないから一緒に協会へ……」

「そんなこと、紫龍は望んでいない!!」

チャキ、と音を立てて紫龍の戦闘形態である刀を構えなおす
しかし、肩で息をしているところを見るともう長くは同契を維持できないだろう

「……その子の意志は関係ないんだよ」

『ロス……?』

相手―――アイオロスは怪訝そうにしている自身のエディルレイドを一撫でしてから、シュラを正面から見据えた

「その子の力は計り知れないほど強力だ。良からぬ事を考える輩の手に渡るのだけは絶対に阻止しなくてはならない」

「それなら俺が!!」

「守る、とでも言うのかい?30分も同契を続けられない君が?何も知らない君が!!」

カッ、と閃光が襲いシュラは思わず目を閉じた
そのさなかに聞こえた音
あれは――

『朋誦の謳!?』

紫龍の声とともに目を開くと、アイオロスは自身の武器である弓矢を天に向けていた
その口から紡がれるのは不思議な音の言の葉
今の自分達では到底敵わない相手なのだと、悟る
同契を解き人の姿となった紫龍はシュラを庇うようにして立ち、対抗するように言葉を、謳を紡いだ

「紫龍、何を……」

「貴方は俺が守ります」

巻き込んでしまったのは自分だから、と、小さな体を張る姿がとても大きく見えた



End

山羊龍コンビはまだ謳なんか無理\(^o^)/

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