星矢book

□こんな日も悪くない
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夏を目前に控えたある日のこと
デスマスクとシュラは、何故か白羊宮の片隅にあるムウの家庭菜園(と言ってもかなり本格的で広さもある)で除草作業の手伝いをしていた

「ったく、何で俺様がこんなこと……」

「貴様がそれを言うか」

じと目でシュラは文句を垂れるデスマスクを睨んだ
先日、巨蟹宮で酒を飲みながら雑談をしていたデスマスク、シュラ、アフロディーテ達
随分酒が入った頃、教皇宮からムウが下りてきた
すかさず絡みに行ったデスマスクは半強制的にムウを空いてる席に座らせ、あろうことに賭け麻雀を始めたのだ
そして結果は……

「貴方が勝手に一人負けたのがいけないんでしょう。それより草むしりは終わりましたか?」

そこへムウとアフロディーテがホースを片手に現れた
ムウの物は先にシャワーノズルが付いているのに対し、アフロディーテのは特に付属品もない普通の物だ

「ほらそこ、サボるな」

言葉と同時に水が噴き出した
潰されていたホース口のおかげで水は直線的に勢いよくデスマスケの顔面に直撃

「ぶっ!!ディテ、卑怯だぞ!!」

「はははっ、涼しそうじゃないか!」

そう言ってアフロディーテは逃げ回るデスマスクを追い掛けだす
子供か、とシュラは思ったがアフロディーテを止めることはしない
自分達を巻き込んだ報いだ、と

「シュラも水被りますか?」

「全力で拒否する」

「そうですか」

残念、おもしろそうなのに
と顔に書いてあるのが見て取れた

「アフロディーテ、そちらの水やりは頼みましたよ」

「まかせろ!!」

デスマスクを追い掛けることに夢中なアフロディーテはこちらを見ずに返事をする
それに苦笑してムウも水やりを開始した
シャワーから溢れ出す細かい水は光を反射させ小さな虹を作る
長閑な風景に、幼なじみの笑い声




「……平和だ」





それはある晴れた、青空の下で


fin.



以前拍手コメで頂いた「農業」をテーマにと言うのを活用してみましたが……
農業っぽいことしてないYO!!!
いえ、雑草抜きや水やりも立派な農業の一環ですがorz

機会があれば収穫する際のことを書きたいです

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