星矢book

□眼鏡は好きですか
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2992hit!トキナさんリクエストでハデ星になります




死者がたどり着くと言う冥界
そこで今日も一騒動


・・・


「ハーデス様!!今日と言う今日はこの書類全て片付けてもらいますからね!!」

「……嫌だ」

「っ……!!!!」

ハーデスの神殿にある書斎
白い書類の山、山、山
机だけでなく床にまで進出する有り様だ
だからこうしてタナトスが毎日注意しに来ているのだが……

「このままだと神殿の床が抜けますよ!!」

「星矢が居らぬとやる気が出ぬ」

こんのガキ……とタナトスは握り拳に力を込めた
こめかみがヒクヒクしている

「むっ!!」

「!!?」

今まさに殴ろうとした時、ハーデスの四方八方にはねている髪のうち、頭頂部辺りの一房がピーンと立ち上がった

「星矢が来た!!」

言うやいなや、ハーデスは書類を撒き散らしながら風のように星矢の元へとかけていった

「ちょ、お前の髪は妖怪レーダーか!!」



・・・


「では、ハーデス様を呼んでくる。それまで此処でゆっくりしていくといい」

「ありがとう、パンドラ」

場所は代わりジュデッカにある客室
そこにある椅子にちょこんと座った星矢はニコリと微笑んだ
それにくらりとするパンドラ
瞬が駄目なら星矢が弟でも……という危ない思考に歯止めをかけ、客室を出ていった
ぱたん、と静かな音が響く

「星矢、クッキーはいかがです?」

「いい紅茶の葉が手に入ったんだがどうだ?」

「それよりゲームしようぜ。前より強くなったぞ」

それを見計らって接客を申し渡された三巨頭が我こそはと乗り出した

「え、と……」

その押しに軽く星矢が引いていると

「星矢!!」

壊れるのではないかと思うほど大きな音を立てた
客室に現れたのは言うまでもなく星矢電波を受信したハーデス
輝きがいつもの2割り増しだ

「会いたかったぞ……ん?」

いつものように、ハグ
星矢もまた同じように抱き締める
いつもと同じ……はずだ
しかし、どこか違和感を感じたハーデスは体を離し星矢を凝視した



「ハーデス?」

「星矢……これはどうしたのだ?」

「へ……あ、眼鏡かけっぱなしだった」

伸びた手が星矢の鼻の上に乗っていた黒渕眼鏡を軽く押し上げる

「いつから」

「ちょっと前。て言ってもかけてるのは授業中だけだけど」

「……余の前でははずせ」

ひょい、と
いともかんたんにハーデスは星矢の眼鏡を奪ってみせた
突然の変化にぼやける視界

「ガラス越しは……嫌だ。直にお前の瞳をみたい」

目をすがめる星矢に余の顔も見えぬか?と訪ねる
それに数度瞬いたあと、ニヤリと笑って

「このくらい近付けば大丈夫」

ぐいっと近付いた顔は鼻の頭どうしがくっつきそうな程

「俺も、ガラス越しは嫌だから」

悪戯の成功した子供の笑顔を向けた星矢は、ハーデスの瞼にキスをおとした




一方

「完璧に忘れられてますね、私たち」

「ピンク色の小宇宙が見える……」

「俺、甘すぎて胃もたれしそう」

三巨頭たちは少し離れたところで遠い目をしていたと言う




fin.


この後指摘されるまで冥界では視力とか関係ないことをすっかりポンと忘れてましたorz
今回は見逃してください…;;

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