星矢book

□もう会えないのでは、と
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一週間
其れはあるものからの連絡が途絶えた日数を表している



「アフロディーテ、爪が大変なことになってるよ!?」

「ディテ、デスが音信不通で心配なのは分かるが……」

「心配などしていない!!」

そう
連絡が途絶えたのは黄金聖闘士のデスマスク
その報を受けてからアフロディーテはどうも苛々していた
そんな彼を見かねて瞬とシュラが様子を見に来たのだが

「……相当キてるな」

かじり過ぎたのだろう爪はぼろぼろになり、睡眠もろくに取れていないのか目元も酷い事になっている

「ねぇ、休んだほうがいいよ」

「休む必要など……!!」

ピクン、と
瞬との会話の途中にアフロディーテの目つきが変わる
宮に誰かが侵入してきたのだ
その小宇宙の正体を確認したアフロディーテは駆け出した




「よお」

「ッ……!!」

急に駆けつけたアフロディーテが見たのは合いも変わらずな態度のデスマスクだった
五体満足……とは行かないようだが

「この……バカ!!」

「バカはねぇんじゃねえの、ハニー?」

「誰がハニーだ!!」

その言葉にお前、と目の前の麗人を指差すデスマスク
それに頬を朱に染めたアフロディーテは右手を振りかざす
しかし其れが振り下ろされることはなかった
腕が下ろされると同時にうつむく
デスマスクはその肩が小刻みに震えているのに気付いた

「……わりぃ」

「思ってもいないことを口にするな」

もう会えないかと思った
なんて絶対に言ってやるものか、とアフロディーテは唇をかみ締めた



End


お題配布元
ひよこ屋

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