DFF連載book

□05
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例えばこの日常
それすらも愛しくて、大切で
今が続いていくだけで、十分満足なんだ
だから










この日常を壊す存在を赦しはしない


=====



「君よ、飛びたつのか?われらを憎む世界へと。待ちうけるはただ過酷な明日、逆巻く風のみだとしても」

昼休み後の授業とはえてして眠くなるもので
窓際の一番後ろ(さらに後ろに空席があるが)という特等席に座るティーダも例に漏れずうつらうつらと船をこいでいた
その隣ではスコールがしっかりノートをとっている

「復讐にとりつかれたる我が魂。苦悩の末にたどりつきたる願望は、我が救済と安らかなる君の眠り」

授業は文学
教材を読み進める教師の声に生徒の半分は夢の中へ
そろそろ教師――ジェネシスの怒りのサンダガが落ちるかという時

「すんません、遅刻しました」

ガラリ、と音をたてて一人の青年が教室へ入ってきた
後ろに撫で付けられたプラチナブロンドの髪、けだるそうな碧の瞳、眉間に走る斜の傷が近寄りがたい雰囲気を醸し出している

「転入生……今が何限か答えてみろ」

「だから謝ったろ?」

明らかに悪いと思っていない態度にバハムートを召喚したくなったジェネシスだが、なんとか耐えきった
眉間のシワはいつもの3割増だが

「……お前の席は窓際の一番後ろだ」










転入生はサイファー・アルマシーと名乗った
隣の機械大国エスタから親の都合で越してきたらしい
己の後ろに座るこの人物をティーダは好きになれないと思った
理由は簡単
振り向かないでも分かるほどにサイファーはスコールを見つめていたからだ
取られる、と思った
根拠はないが、そうティーダは思ったのだ





スピーカーからチャイムの音が流れる
今日の授業はこれで、終り
ティーダは手早く荷物をかばんにつめ、捕まらないうちにスコールと帰ろうと考え、声をかけた

「スコール!はやk「なぁ」……」

やっぱりきたか、とティーダとスコールは眉根を寄せる

「ガーデン案内してくれよ」

「……何故俺が」

そう、自分でなくてもいいはずだ
今初めてしゃべったんだぞ?
口にはせず、スコールは心の中で呟いた

「そうっスよ!それにスコールは今日夕食当番だから早く帰らないと!!」

ひくり、とサイファーの眉がわずかに動いたが二人は気づかなかった

「……スコール」

「呼び捨てを許可した覚えはない」

関わらないほうがいい、とスコールの中で警鐘が鳴る
帰宅準備を進めながらどうやってこれを振り払うかを考えた






「何だ、俺のこと忘れちまったのか?」





やめろ





「俺と」





聞きたくない





「お前は」





これ以上は
















「幼なじみだろ?」













壊れてしまう



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スコールには幼少期の記憶がありません
召喚獣を使役する度に記憶が欠損していくのです←FF8設定

あ、ジェネが音読してるのはLOVELESS←猫耳の漫画じゃないよ!!
 

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