DFF連載book

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自分らしくない、と自嘲する
会いたいと、話したいと、笑顔が見たいと思うなんて、今までなかったのに
そして










今日もまた、足が向かう先は


=====



いつものように訪れた小さな花屋
しかし開店時間になっても開いていないそこに男は首を傾げた
定休日も今日ではなかったはずだ、と
とりあえず壁に凭れ、考え込む
何かあったのではないか、怪我でもしたか、それとも病気か
巡る思考は段々と悪い方へ

「……そこで何をしている」

そして十数分後
男の思考を断ち切らせたのは同僚の声だった










「じゃあこれはどうだ?」

「だから……」

「サイファー!!スコールが迷惑がってるっスよ!!」

休み時間
まるで己を取り合うかのように左右で睨み合いをきかせるサイファーとティーダにスコールは深いため息をついた
昨日の今日で……と思うが、逆に二人らしいとも思う

「…………?」

しかしその思考に違和感を感じたスコールは軽く首を傾げた
二人らしい?
何故そんな事が分かる
ティーダはまだしも、サイファーは昨日少し話しただけの他人だというのに
わからない
わからないことが、気持ち悪い

「スコール、どうした?」

「……別に」

「あ!!またスコールの悪い癖が出たっス」

「かわんねぇな、お前の口癖。『別に』と…」

「『関係ない』……っスよね?」

当たり、とサイファーは苦笑いをしながら答えた
スコールは眉間のシワを増やした
自分が持ち得ない『過去の自分』を他人が知っている事実に多少の苛立ちを感じる
その感情から困惑が生まれる
果たして自分は過去の記憶を取り戻したいのか、それとも今の自分に干渉されたくないからなのか
……またわからない事が増えた、とため息をついた







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……あれ、主人公がスコールっぽい!?

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