DFF連載book

□15
1ページ/1ページ

今の距離がちょうどいい
近すぎず、遠すぎず
とても曖昧な距離
この間隔が壊れたら
きっと貴方は離れて行ってしまう
だから今だけは










この距離を保っていたいのです


=====


玄関を開けた先
視界の大部分を占拠する男にフリオニールは心底嫌そうに顔をしかめた

「悪いがクラウドは」

「怪我をしているんだろう?見舞だ」

よくもぬけぬけと、と出そうになる言葉を必死に飲み込む
下手に突けば倍以上になって返ってくるのは予想できたし、そもそも駆け引きといったものは苦手だった
仕方なしに通せば勝手知ったるなんとやらで、セフィロスは迷いもなく階段を上って行った

「……あれと知り合いなのか」

「マティウス!!」

憎々しげにその後ろ姿を見送ったフリオニールにかけられた声
そこではじめてセフィロス意外に客人がいたことに気づいた










「……だれか来た?」

帰宅早々、ルーネスは言った
眉間には縦にシワが3本

「あぁ、昼ごろにセフィロスが」

「昨日の今日で!?信じらんない。…………で?」

「な、なんだ?」

「もう一人いたでしょ」

ぐぐっ、とさらに寄せられた眉間にシワが増える

「……………マティウスが一緒に」

「誰、それ」

「最近毎日店に来てくれる人、だが」

何故か尋問されている気分だ
まだ納得した様子のないルーネスにフリオニールはしどろもどろに答えた

「……女王の騎士じゃないよね」

「仕事の話はしたことがない」

「まさかセフィロス、クラウドのこと話した!?それで捕まえに来たとか、殺しに来たとか!!」

「ルーネス、落ち着け……」

まだ決まったわけじゃない、と息巻くルーネスを落ち着かせるために言うが効果は皆無だ

「僕達からクラウドを奪うなんて許さないよ!!今からでも消しに」

「ルーネス」

こつん、と額にあてられたのは冷えた飲み物の入ったグラス
頭を冷やせ、と言葉つきだった

「万が一、相手が女王の騎士なら何の情報もなく挑みにいくのは無謀だ」

「……うん」

「それにルーネスになにかあったら皆が悲しむ」

「分かってるけど……でも、嫌なんだ。クラウドがいなくなるの。勿論、クラウド以外の誰かがいなくなるのも嫌だ」

それは些細な願い
しかし、叶うはずのないものだと知っているのに
それでも願わずにいられない自分は愚かなのだろうか
答えてくれる者は誰も、いない



Next


もう、色々すっとばして結末を書きたい衝動にかられています/(^o^)\

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ