DFF連載book
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歩んできた道
それが歴史書により定められた物であっても
廻りだした歯車を今更止めることなどできない
ならば我らは走り続けるだけだ
ただ、終焉と言う名の結末を目指して
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ガーデンの近くに位置する国立公園
その中央には樹齢1000年以上と言われる大樹がある
そんな樹にある太い枝――それこそ丸田のような太さだ――にぐでん、と伏せる影が一つ
「それであの後2時間も正座させられた……」
ぶつぶつと小鳥を相手に愚痴をこぼしているのはバッツだ
1年前からここは格好のサボリ場所になっている
新たに飛んできた鳥がバッツの頭に着地したが、気にせず話を続けた
「俺は無実だっての。お前たちにしか話してないもんなー」
同意を求めるような語尾だったが、鳥たちは首を傾げるだけだった
そんな鳥の頭を人差し指だけで撫でてやると、気持ちよさそうに目を細める
風もないのに葉が揺らめいたことに気づく者はいない―――
――うるさい
うるさい、ウルサイ、煩い、五月蝿い!!
音が、言葉が容赦なく鼓膜を揺らす
やめろ、聞きたくない!!!!
「…ア………ウォーリア!!」
「っ……!?」
「顔色が悪いではないか」
「ガーランド……」
はっ、はっ、と短く息をつく
目の前には心配そうな赤い瞳
そこでようやくウォーリアはここが講師室であり、先程までの凶暴な言葉の波が消えているのに気付いた
「すまない、もう大丈夫だ」
ぐしゃり、と前髪を崩す
何年ぶりだろうか、力の制御が出来ないなど
それほどまでに思考の海に溺れていた
「大丈夫そうには見えぬぞ。……熱はなさそうだが」
そっと額にあてられた大きな掌
温かなそれにウォーリアは目を閉じ、しばらくその熱に身を委ねた
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