FF7連載book
□05
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カラン
と鳴ったのは喫茶店入口についているドアベル
それに続いて
「いらっしゃいませー!!」
元気な少年の声がした
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昼時を過ぎ客数も大分減った店内へ入ってきたのは黒を纏った美丈夫
その男を視認した途端、昨日雇われたばかりの少年は笑顔を浮かべた
「セフィロスさん!!」
「ああ、クラウド。今日はウェイトレスじゃないのか」
「や、あの、昨日のアレは忘れてください…!!」
少年―――クラウドは真っ赤にした顔を振った
急遽ここで働くことになったクラウドに合うサイズの制服がなく、しかたないとはいえ女性物のフリルがふんだんに使われた制服を着ている姿を見られた事実は消し去りたい過去だ
……スカートではなかったのが唯一の救いかもしれない
「昨日と同じ物を頼めるか?」
「は、はい!!」
ぱたぱたと厨房に駆けて行く後ろ姿を見送ったセフィロスは、入口から一番離れ且人目につきにくい席へと座った
「珍しいわね。貴方が昼時、しかも2日続けてくるなんて」
「……」
「そんなにあの子が気に入った?」
「そう言う訳ではない」
「どうだか」
くすくす、と水の入ったグラスを置いたレンリは笑う
「いいことよ、他人に興味を持つのは。昔の貴方より、ずっと人間らしい」
「昔の俺は人間じゃなかったと?」
「えぇ。まるで人形だった。でも今は……人間よ。良くも、悪くも、ね。友達のおかげかしら?」
「さぁ、な」
友達、と言われ思い出すのは無駄に生真面目な男と赤を纏った好敵手、そして騒がしい仔犬の姿だった
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このあと閑話と言う名の裏話を挟んでから
入社式の話に移行する予定
あくまで、予定/(^o^)\