FF7連載book

□07
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「ねえ、君。クラウド・ストライフでしょ」

式が終わる頃、突然隣に座っていた同い年くらいの少年にかけられた声にクラウドは驚きに目を見開いた

「どうして…」

「あ、当たり?」

相手の赤い瞳が悪戯っぽくすがめられる
その底が見えない程深い色にクラウドはどきりとした
怖い……かもしれない、と

「僕、ヴァルイーダ。ルイって呼んでね」

ニコリ、と効果音がしそうな笑顔と、よろしくと言って差し出された手
どうしようか、躊躇する

「……俺もクラウドでいい」

しかしその手を握り返すことにした
その笑顔には嘘がない
直感的にそう感じたからだ










入社式も終わり、新入社員がこれから一年世話をしてくれる先輩――世話係とも呼ばれている――と顔合わせをしている中、クラウドは一人ぽつんと立っていた

「あれ、クラウドの世話係まだこないの?」

「うん……」

無事自分の世話係を見つけたルイが声をかけるが、不安でいっぱいなクラウドは覇気のない返事を返すだけだった

「心配するな。アレは遅刻常習犯だからな」

そんなクラウドの頭をくしゃり、とルイの世話係と思われる人物がかきまぜた

「今日も寝坊するは式典服をなくしてるは……。どうせ慣れないボタンやベルトに苦戦してるだけだ」

はあ……とわざとらしくため息をつくその人が浮かべるのは呆れではなく、子供を見守るような優しい笑顔
それを見てクラウドは「あれ?」と思った
その笑顔が誰かに似ている
それが誰であったか思い出そうとしたが、慌ただしい足音に阻まれた

「ひー!!間に合わないかと思った!!」

「間に合ってねぇよ」

現れた青年は安堵の息をついたが、すかさず入った鋭い一言にうなだれるも直ぐに復活する

「待たせてごめんな。俺が今日からお前の世話係になるザックスだ。よろしく」

「あ……よろしくお願いします」

クラウドが差し出された手を反射的に握れば、がっちりと捕まれ
何事かとザックス顔を伺えば太陽のように輝く笑顔がそこにあった

「てなわけで、飯行こうぜ!!」

「……へ?」

「食堂はこっちな。あ、敬語はいらないからな」

さっ、と握る手を入れ換えたザックスに引きずられ、最近似たようなことがあったなとクラウドは遠い目をした






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