光の唄、闇の旋律。


□Retrace 0 -Introductory chapter-
1ページ/6ページ






「シオン様ー、ルセア様ー?
どこにいらっしゃるんですカァー?」





響き渡る白髪の男性の声。






『‥‥動くなよ、ルセア?』





『わかってるよ‥‥シオン』





木の上には二つの影が。




「まったく‥‥。
シオン様ー、ルセア様ー!いい加減にしなさいヨォー」






と、いいながら笑顔で2人のいる木を思いっ切り蹴る男性。






『おぉ!!!??』





『わっ!!?』




突然のコトにバランスを崩す2人。




ガサガサガサ‥‥‥ドサッ





『ったぁ〜〜‥‥‥』





「やぁ、お2人とも、やはりここにいましたカ。
探しましたヨォ〜?






シオン様、ルセア様ー?」




ニコニコし続ける男性───ザークシーズ・ブレイク。




『ってめっ‥‥』





短い金色の髪に青い瞳でキッっと彼を睨むのは、シオン・リシェル。




『気付いてて蹴りましたよね‥‥‥?』




少し涙ぐんでるのは、ルセア・アーミッシュ。

紅い瞳で銀の長い髪をひとつに括り、揺らしている。








───そう、ブレイクは2人が木の上にいると承知の上で木を蹴ったのだ。





「そうデスヨォ〜?
気配を隠しきれてませんカラ、すぐにわかりましたVv」





『語尾にハートつけんな‥‥気持ちワルい。
‥で?何か用事あったんじゃねぇの?』


服に付いた土埃を払いながら立ち上がり、心底嫌そうな顔でブレイクを見るシオン。





「シャロンお嬢様がお呼びデスヨォ〜。
なんでも、お二人に頼みたいことがあるとか」





『嫌な予感がするのですが‥‥‥気のせいでしょうか‥‥?』




シオンに起こしてもらいつつ、顔を真っ青にするルセア。





『‥気のせいであってほしいな。』

























(マジ恐いんだけど‥‥)(僕、生きてられますかね‥‥?)(ダイジョウブデスヨォ〜‥‥‥多分)(多分かよっ!)
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ