光の唄、闇の旋律。
□Retrace 0 -Introductory chapter-
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「シオン様ー、ルセア様ー?
どこにいらっしゃるんですカァー?」
響き渡る白髪の男性の声。
『‥‥動くなよ、ルセア?』
『わかってるよ‥‥シオン』
木の上には二つの影が。
「まったく‥‥。
シオン様ー、ルセア様ー!いい加減にしなさいヨォー」
と、いいながら笑顔で2人のいる木を思いっ切り蹴る男性。
『おぉ!!!??』
『わっ!!?』
突然のコトにバランスを崩す2人。
ガサガサガサ‥‥‥ドサッ
『ったぁ〜〜‥‥‥』
「やぁ、お2人とも、やはりここにいましたカ。
探しましたヨォ〜?
シオン様、ルセア様ー?」
ニコニコし続ける男性───ザークシーズ・ブレイク。
『ってめっ‥‥』
短い金色の髪に青い瞳でキッっと彼を睨むのは、シオン・リシェル。
『気付いてて蹴りましたよね‥‥‥?』
少し涙ぐんでるのは、ルセア・アーミッシュ。
紅い瞳で銀の長い髪をひとつに括り、揺らしている。
───そう、ブレイクは2人が木の上にいると承知の上で木を蹴ったのだ。
「そうデスヨォ〜?
気配を隠しきれてませんカラ、すぐにわかりましたVv」
『語尾にハートつけんな‥‥気持ちワルい。
‥で?何か用事あったんじゃねぇの?』
服に付いた土埃を払いながら立ち上がり、心底嫌そうな顔でブレイクを見るシオン。
「シャロンお嬢様がお呼びデスヨォ〜。
なんでも、お二人に頼みたいことがあるとか」
『嫌な予感がするのですが‥‥‥気のせいでしょうか‥‥?』
シオンに起こしてもらいつつ、顔を真っ青にするルセア。
『‥気のせいであってほしいな。』
(マジ恐いんだけど‥‥)(僕、生きてられますかね‥‥?)(ダイジョウブデスヨォ〜‥‥‥多分)(多分かよっ!)