この唄、君に捧ぐ。-紅と蒼の交響曲-
□RetraceU-導師守護役-
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『なぁなぁ、ヴァーン?』
「?・・・・・・なんだ」
俺の言葉に振り返る髭。
『導師に会いたい』
「あぁ、構わない」
・・・こんな簡単に話通っていいのか?
「では、早速行こうか」
『・・・・・・もう行くんだ。まぁいいけど』
・・・・・・早いよね、展開。ごめんなさい。あっ、石投げないで!!
・・・まぁ、こんな感じで部屋を出た。
───歩くこと数分。
ある一室の前まで来た。
「ここが導師の部屋だ。失礼のないようにな」
『・・・へーい』
ごめん、無理かもしれないっ!!←
「・・・イオン様、失礼します」
ノックをしてドアを開けるヴァン。
「・・・・・・ヴァンですか」
中にいたのは緑色の髪をした少年──導師イオン。
「はい、貴方に会わせたい者がいまして・・・」
「・・・会わせたい者?」
ヴァンが俺に向かって手招きをする。
行くか・・・・・・。
『・・・どーも』
取り敢えず軽く会釈──
した瞬間ヴァンに足を踏まれた。
・・・やっぱりダメか。
『い゙っ・・・・・・お初お目にかかります、コウ・リヴァルです・・・』
痛みに堪えながら頑張って自己紹介。
取り敢えず足をどけてもらえたぜ・・・・・・。
「僕はイオンです。よろしくお願いしますね」
イオンは微笑んで俺に言った。
けど・・・・・・
『・・・・・・その笑顔、やめていただけますか?』
「コウ!お前何を・・・っ」
「・・・いいよ、ヴァン」
ヴァンの言葉を遮って、イオンが声を放つ。
・・・笑顔はすでに、ない。