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□恋するあなたを愛するおれの
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「だーんな、飯にしないかい?握り飯作ってきたからさ」
「おぉっ、かたじけない!」


そう言うと真田幸村は己に仕える忍、猿飛佐助の元へと走った。
木の上からひらひらと手を振っていた佐助は真下に降り、幸村の隣に腰を降ろす。


「旦那も毎日頑張るねぇ、あっちの木とかもうボロボロだよ」
「鍛練は何が有ろうと欠かせぬのだ!そうでなければお館様の為には戦えぬ!!」
「そーだねぇ、まぁ旦那は昔っからそうだったし、継続は力なりっても言うしね」


そう言うと佐助は自分の左に座る幸村の右腕に触れ、軽く笑う。
幸村はといえば、そんな佐助を見て頬にご飯粒を付けたままぴたりと止まっていた。


「良い筋肉もついた事だしねぇ、鍛練の賜物か…………って旦那、付いてるよ」


す、と手を伸ばし幸村の頬のご飯粒を取ると、(多分何とはなしに)口に運んだ。
そこで漸く、止まっていた幸村も口を開き、


「──────佐助は、」
「ん、?」
「…………母親の様でござるよな」


その言葉に、佐助は暫く間を空けてから素っ頓狂な声を上げた。


「いやっ、そうかと思えば突然色…色っぽく?見えたりもするのだ!」
「色っぽくって………旦那、顔赤いけどどうしたの」
「は、ぅえ!?いやっ、これは、な……何故でござろうな」
「…えー………ま、旦那が鈍感なのは知ってるから良いけどね。もういいから食ってなさいよ」


やれやれという風に溜め息をついた佐助の表情は、行動とは裏腹に笑顔だった。
幸村はその佐助に言われた通り、赤い顔そのままで黙々と米を口に運んでいた。


「…………恋、ねぇ」
「………………破廉恥で、ござる」


先程以上に顔を赤く染めた幸村が、佐助の方は見ずにそう呟いた。
自分の呟きに返事をされるとは思っていなかったのであろう佐助は少し驚いた顔をした後すぐに、幸村を見て柔らかく笑った。


「よ、よしっ!!佐助!鍛練に付き合うでござるよ!!」
「はいはい、俺で良いなら付き合いますともね」




































(やれやれ、全く手のかかる人だねぇ)
(ま、だからこそ旦那なんだけどさ。)


fin.
─────

幸佐幸…だと言い張ります←
幸村の方は無自覚なんですが。
その内気付くと良いよねっていう佐助と佐助見てドキドキする理由が判らない幸村でしたw

やっぱ第三者視点苦手です´`←

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