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□愛しいきみに抱擁を!
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「光秀っ」
「…………おや、蘭丸君ではないですか」


言いながら、相変わらずのあの怪しい笑顔を崩さないままで光秀は僕の方を向いた。
何というか…余裕振ったっていうか見下したっていうか、そんな感じの顔が腹立しい。


「今日は、どうなさったのです?」
「え…いや、……別に理由は…」
「そうですか。まぁこちらへ来て、茶でもどうぞ」


手招きをする光秀の方へ行くと、こいつは笑顔(怪しいけど)で茶を入れてくれた。
けれど何となく飲む気にはならなくて、そのままにしてしまった。


「──毒などは、入っておりませんよ?そのような殺し方は好みではありませんので」
「知ってるよ、お前は刻むのが好きなんだろ」
「えぇ、殺すならばこの手で刻んであげますよ」


くく、といつもの様に喉で笑うと茶器に入っていた茶を一口飲む。
判ってはいたけれど、やはりこいつは奇人だ。
血に対する執着みたいな…何ていうか兎に角、血が絡むと一気に楽しそうになるなんて。
それで残酷に殺っちゃうからタチが悪いよなぁ。

…………でも、本当は。


「……ねぇ光秀、……僕でも、斬るの?」
「──────な、?」


一瞬、真顔に戻った光秀の目が揺らいだ。
驚いたようで、寂しそうな、そんな顔をして。
そして再びあの表情に戻り。


「おかしな事を、訊きますねぇ」
「……誤魔化すな、」
「クッ…ククッ、本当に面白いですねぇ貴方は」
「…………からかってるのかよ」
「あぁ失敬、────貴方を、斬ったりなどしませんよ」


……ほら、やっぱり。本当は優しい、僕は知ってる。
今のこの笑顔が、本当の光秀なんだと思う(勝手な想像かも知れないけれど)。


「蘭丸君、……失礼」
「え?わっ」
「暫く、こうさせて下さい」


信長様や他の武将達に比べたら細い光秀の身体は、それでも暖かかった。
あぁやっぱり僕は、好きなんだなぁなんて。

























愛しいきみに抱擁を!


fin.
─────

…………(´Д`←
光秀も丸もあまり判らなかった/^q^\
光蘭が好きなんです…!

愛で書き抜いた感が否めない←

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