SHORT

□止まらない感情
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 本当に……本っ当にわざとじゃない。

 ただ俺は家に帰る近道を通りたかっただけで、まさか道を間違えるなんて思わなかったんだ!!
 しかもヤバい奴らがいるなんて思わないし!?


 だから断じてだな………。



『ぅあ、ぁっ…ゃめ、ろ!、』

「口で言う割にはビンビンだぜ?」


 こ、こんなSMプレイにも似た行為を望んだわけじゃな─────いッ!!!















‐止まらない感情‐















「お前ェいい顔してんなァ」

『はっ……?』


 その言葉がまさに地獄への合図だっただろう。


 ──誤って来てしまったヤバい裏道で、出くわせた男に俺は連行され、おまけに現在は腕を拘束され、目隠しされ……。

 SMかよ! と思わずツッコミたくなるシチュエーションに陥っていた。


『──おい! 俺は男だぞ!!』

「んなの分かってるっつーの」

『お前ェも男だろーが!! こんなんして何が楽しいんだ!! 変態!!』



 おそらく自分はベッドの上にいるのだろうが………これがまた居心地が良い為、余計腹が立つ。

 目隠しされている為、何をされるか分からない状況に俺は恐怖に似たものが湧き上がっていた。


「なァ、お前今まで何人とヤってきた?」

『はあ?』

「数え切れねー程してもよ、全然満たされねーんだ」

『……、』

「なんなら男ってどうかな、つー感じだな。お前いい顔してたし」


 ふざけるな! そう言いたかったが、言葉を飲み込んだ。

 目の前にいる男の手が、Gパン越しに俺の息子に触れたからだ。余計な声が出そうで、思わず口を閉じる。


『……ぅ、』

「好奇心も含むか……?」

『なん…、ンンッ…くっ、』


 ヤバい! 駄目だ!! 男である俺が男にヤられるなんざ御免だ!! 今すぐにでも殴りかかってやりたい!!

 だが腕を拘束されている為、不可能だ。
 しかも手錠なのかガシャガシャと煩い。

 屈辱過ぎる!


 ──そうこう考えている内に、男の手は服の中に侵入していた。

『なっ、やめろ!』

「……」


 俺の言葉は耳に入れていないのか、服を捲り上げ、胸にある突起にねっとりしたもの…おそらく舌をはぐわせてきた。


「っゃ…う、んっ、…んぅ、」


 ありえないありえないありえない!!!
 何考えてんだコイツは!!

 ……駄目だ、油断したら声が……


『……ひぅッ!…』


 突起を甘噛みされ、思わず声を上げてしまった。まるで女の子みたいな声で、出してしまった自分でさえ耳を疑った。

 そんな俺に満足したのか、男は突起への刺激を強め始めた。
 片方は舌、片方は指で犯し、時折舌で押しつぶせば、甘噛みしたり。

 あまりの快楽に、俺は既に意識が飛びそうだ。


『…んぁ、ゃだ…ぁ、っん』


 目隠しをされている為、次の行為が分からない。

 さっきとは違い、恐怖ではなく興奮の方が似つかわしくなってきた。


『…っん、ンンッ…ひぅ、』


 今まで放置されていた自身に男の手が触れ、そのままGパンの中に忍び込んだ。


『…ぁあ…ゃだ…んぁっ、』

「おいおい、乳首だけで完勃ちかァ?」

『ぅあ…あっ…ゃめっあぁ!?…』


 力強く握られたかと思えば、上下に激しく擦られ、俺は軽く身じろぎをした。

 自分でするよりも数倍気持ちいいその動きに、頭がクラクラする。


『…んぁっ…あっ…あ……もっ…ゃだ…ゃめ、ろ…』

「気持ちぃくせによォ…」

『ちがっ…あ…っんん…はあ…』


 まるで、走りつめるかのような絶頂への導き。完全に理性が飛んでしまった。


『ぅあ…はあ…あっ…イ…クっ…』

「……グリード」

『…んあ…んっ……?』


 呟かられた名前に疑問符を浮かべていると――

「俺の名だ」

 言い、更に手の動きを速めた。


『ぁあ! やっ…だめ! ……あっ…あ…グリー、ドォ……んんっ…も、イク…うぁ、はっ……んぁあ!!』


 絶頂を迎え、俺の放った欲望は下着を濡らし、グリードの手を汚した。



 
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