たんぺんだ、コノヤロー

□溢れるほどの愛の花束を君へ
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「名無しさんー」

『あ。ぎ、銀さん』

「散歩してたら名無しさんを見つけたから話し掛けてみた」

『あ、そ・・』

「名無しさんは?」

『・・・あ、たしも散歩』

「奇遇じゃねえか。そらへん歩こうぜ」

『なんで銀さんなんかと・・』

「いいじゃねえか、ほらいくぞ」

『特別、だからね・・』

「おー」





「名無しさん、よくこらへん歩いてんのか?」

『・・・・・今日は、気分がここだったの』

「そーか」

『何よ、つまらない?』

「そんなことねーよ」

『・・・ぎ、銀さんは?』

「俺も気まぐれだ」

『そう・・』

「おう」


大分2人で歩いていると前から神楽ちゃんとお妙さん走ってきた。

「銀ちゃん!お昼できたから新八に探して来いいわれたアル!」

「そーか、ワリィな。今行く」

「ワタシ先いくネ!」

「おー」

「早く来てくださいね」

「おー」


私は2人の会話を聞いて、すこし残念に思った。
それと同時に神楽ちゃんのお妙さんに嫉妬した。


いいなあ、銀さんと居られて。





「んじゃあ、俺行くわ」



銀さんは私の頭を優しく撫でた。
手が頭から離れていった。

いつ会えるか分かんないのに、こんなに早く別れちゃうのなんて、嫌だ







私は無意識に歩き出した銀さんの着物の裾を掴んでしまった。



「?...??」



なにを、してるんだろう。

着物から手を離した。



「どうした?」

『あ、え・・っと・・』

「まさか、銀さんに行って欲しくなかったとかー?」

『えあ・・・・・うぅっ・・ー』

「ちょっ、泣くな!泣くな!銀さんが泣かしたみたいじゃねえか!冗談だって」

『・・・ずるいよ・・・』

「?」

『全部・・ズルい、・・・神楽ちゃ、んもお妙さん・・・もずるい』

「・・・・」


『あたしも、銀さん・・・と。一緒いた、いのに』

「・・・・」


私は立っていられなくなってしゃがみ込んでしまった。

きっと銀さんは呆れてる。


「なあ、」

声がして、顔を上げると目の前に銀さんの顔があった。





「それって俺、自惚れてもいいの?」



『なっ!?えあっ・・・・・・かっ、』

「か?」


『勝手にしなよ!!』


顔を見れなくなってまたうずくまった



「おー。じゃあ勝手にするわ」


銀さんは楽しそうな声でそういって頭を撫でた


『・・・〜〜〜〜〜〜っ』




「俺嫌われてんのかと思ってたよ」

『きらって・・・・ない!』

「ツンデレだったんだな」

『な!?』


勢いで顔を上げると銀さんの顔がさっきより近くにあった


「名無しさん顔真っ赤」

『う、るさい!』


「俺ら両思いじゃん」

『な・・・っ、え、ええ?』

「銀さん名無しさん好きだもん」

『ち、近い!!!』



銀さんの顔を殴ったら銀さんは変な声を出して涙目になっていた

そんな銀さんを無視してその場から早歩きで逃げた





高鳴る鼓動がきみを好きだと教える


(な、なんでついてくるの!)
(だから、銀さん名無しさん好きだっていってんだろー?)
(ーーーッ?!)
(あれー?お顔が赤いでちゅよ?)
(あっえっこれは、その、風邪気味だからだよ!)
(ふーん、まあ、今回はそういう事にしてやるよ)





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