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□罪
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暖かい

鳥のさえずりが聞こえる…







『…――っ…

……!』




見知らぬ部屋、
寝かされている布団、
窓からは木漏れ日が溢れ差している。




どうして?
どうして生きてるの…?

僕は死んだはずなのに

死にたかったのに…





「やっと目ェ覚めたか」




『!』




枕元には、黒髪の目つきの悪い見知らぬ男が、
腕を組み、座っていた。




「気分はどうだ」




男は懐から煙草を取り出し、火をつけた。





『……誰』








「土方十四郎」




『…土方……?』




「真選組副長だ」








『!』





ガバッ




土方は突然起き上がった僕に驚いていた。





「おいっ…!

まだ寝てろ『殺して』




「…――あ…?」








『僕を殺して』








「なっ…何言ってんだ…!」



『どうせあの時死ぬはずだったんだ…っ…。
彼と一緒に…

それに僕は罪を犯したっ…!
だから…!!』








殺して欲しい…
お願いだから…

生きているのはもう…


辛い











ガラガラガラ…




「なんださっきから随分騒がしいですねィ。

土方コノヤローにセクハラでもされやしたかィ?」




「誰がンなことすっかよ」




扉が開き、入ってきたのは栗色の髪をした少年。
少年は眉間にしわを寄せる土方には見向きもせず、
布団の脇に座った。





「それはそうと調子はどうでィ?

お嬢さん」




「総悟テメェ……
シカトたぁ、いい度胸だな…」








『……』








「可哀相に…っ
土方のヤニ臭さにやられて口がきけねくなったか……っ…」





無言の僕に、総悟と呼ばれる彼は俯き、
小刻みに震えた。



「ヤニは関係ねーだろが!
ブッた斬るぞ」



土方は怒り、刀に手を伸ばしたが、
引き抜きはしなかった。





『君達が…助けたの…?』




突然の僕の問いに、土方はポカンと口を開け、
総悟は小さく、おぉ、と声を漏らした。



「残念ながらアンタを助けたのは
"このマヨラー"でさァ」

「あ゛ぁ゛…?
誰がマヨラーだコラ」



総悟が答え、
助けた当の本人は2本目の煙草を手に取っていた。





『……そう…』





「…?
…おい、大丈夫か…

!」




突然、目の前が暗くなる。




『……』


スゥ…








「アララ、寝てまさァ」








「……。

――変な女

























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