書斎
□棺桶
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ベッドの上で並んで座って他愛のない話をする。
二人の距離はほんの僅か。
拳一つ分の距離。
だが、何の警戒もなしにユフィはその距離を詰めた。
ヴィンセントは、ぱっと見てもわからないくらいの歪んだ笑みを浮かべた。
勿論、ユフィは話に夢中で気付かないし、自分の話で笑ったのだと思っている。
そっと腰に腕を回せばピクリと震える身体。
恥ずかしいのか、少し気にしていたがそれをネタに茶化して来た。
だが、腕は腰に回ったまま。
話は続行されるが段々それはどこか色っぽい話になってきた。
いつの間にか少女の華奢な身体は男の腕の中にあった。
見詰め合う紅と黒。
消して外せない視線。
艶やかな髪を何度か梳いて後頭部に滑らせる。
己の中の何かを刺激する唇をもう片方の手でゆっくりとなぞる。
また、ピクリと小さな身体が反応する。
それを面白がりながら吸い付くように己の唇を押し当て、後頭部に回していた手に力を入れて押さえる。
拒絶反応はない。
むしろ、委ねてきた。
それに気を良くして深く深く口付ける。
柔らかで
口当たりがよくて
甘いそれを
執拗に貪る。
空気を求めるユフィは小さく口を開いた。
その隙間に己の舌を滑りこませる。
驚いたのか、逃げようとしたユフィだったが後頭部を押さえられて逃げることが出来ない。