記念
□先生たちのアニマル デイ
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これは、『アニマル デイ』のもう一つの物語。
ゴルアル学園の職員室の教頭―――セフィロス教頭の机の上に白い箱が置かれていた。
ちなみに、置いて行ったのは・・・宝条だ。
何なのか気になる。
何が入っているのか気になる。
気になって仕方ない。
その場にいた教員は知りたくて知りたくてうずうずしていた。
そして―――
ガラッ
「・・・チッ」
セフィロス教頭が入って来て箱を見て舌打ちをした。
セフィロス教頭自身、誰がこの白い箱を置いて行ったのか判っているらしい。だから、舌打ちしたのだ。
「・・・変態二人、ここへ来い」
変態二人とはシーモア先生とキノック先生のこと。
その場にいた教員全員が二人を一斉に見た。
しかし、二人は依然、涼しい顔をしていた。
「変態二人とは・・・誰のことですか?」
「全くだ」
「・・・ボソッ(空気読め)・・・」
ボソッと呟いたのは技術科のシド・ハイウィンドウ先生。
普段ならセフィロス教頭は嫌味ったらしく名前を言うのだが、今回に限ってはそうはいかなかった。
「自分たちのことだというのが判らんのか?」
「ちょ、ま・・・っ!!」
セフィロス教頭は八つ当たりの如く二人に正宗を振るった。
勿論、断末魔の声は響くがこれは日常茶飯事。
女性教員のシャルア先生やブラネ先生やイデア先生はともかく、エルオーネ先生やシエラ先生などは笑顔で「あらあら」と言う体たらくなのだ。
いつもよりひどくフルボッコにしたセフィロス教頭は、死体になりかけているシーモアと先生キノック先生に白い箱を差しだした。
「これをどこかの山奥で開けて来い」
「開けて・・・何かあったら・・・どうするん・・・です、か・・・」
死に絶えたえに反論するシーモア先生にセフィロス教頭はその刃の切っ先をシーモア先生の鼻先に突きつけた。
「貴様ら如き何があろうとも痛くも痒くもない」
「り、理不尽・・・だぞ・・・!!!」
「黙れ」
同じく反論してきたキノック先生にセフィロス教頭は今までにないくらいの冷徹な顔を向けた。その時・・・
「ちょっといいですか?」
ガラッと扉開けて入って来たのはゴルアル学園の校長・ブラスカ校長だ。
ブラスカ校長は何か言いに来たようだが、今の状況を冷静に見極める。
「・・・一体何をしているんですか?」
「こいつらに危険物を処理させようとしているのだ」
目線でその危険物を示す。
ブラスカ校長もそれを確認すると、真剣な顔でとんでもないことを言った。
「成る程・・・二人共、早く処理してきて下さい」
「あんまりではありませんか!?」
「くっ・・・貴様らに安息の絶望を送ってくれる!!!」
とうとうキレたシーモア先生は白い箱を開けてしまった。