古書T

□メイド
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仕組まれた。私はそう思わざるを得なかった。

「再建ご苦労様です。宿をとっておいたので、ゆっくりして下さい」

とはリーブの言葉。
ここまではよかった。
しかし、その後に―――

「最高のメイドがついていますよ」

ボソッと呟かれた言葉に、最初は何のことだろうと思った。だが―――

「お疲れ様。ヴィンセントのご主人様?」

宿の部屋に入ってみれば、メイド服姿のユフィが迎えてくれた。




本当は、ティファのセブンスヘブンに泊めてもらおうと思った。
ユフィも泊まるだろうと思ったが、ユフィはおろか、ティファたちは用事があるということで、泊めてはもらえなかった。
ならば、シエラ号でと思いきや、シドはシエラ号を動かしてどこかに行く始末。
適当な宿にユフィと泊まろうと思ったが、ユフィはリーブに呼び出されて私一人となった。
仕方なく、リーブにWRO本部で泊めてくれないかと尋ねれば・・・冒頭に繋がる。



「何かお飲みになりますか?」
「・・・いや、いい」


ここで私は気がついた。
皆の都合が悪くなったのは偶然ではない。
全て皆で結託して、都合が悪いと嘘をついたのだ。
ティファたちなんか挙動不審だったのが今となっては頷ける。
そして、リーブはユフィを呼びつけてメイド服を着させて現在に至らせた。
・・・つまり、皆は私とユフィをくっつけようとしているのだ。
私がユフィのことが好きだということを皆は知っている。
だから、ここいらでくっつけようと考えたのだろう。
二人っきりにしてくれたのはいいが、はめられたことに何故だか腹が立った。

「どうかしました?」
「・・・いや・・・」

いつになく丁寧語で話すユフィ。
メイド服がよく似合ってて直視できない―――。

「何かございましたらいつでも言って下さいね」
「・・・ああ」

なら、付き合ってくれ。
なんて言えない。

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