書斎
□逆パターン
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「っ!」
ヴィンセントの言葉にユフィは顔を赤らめた。
ダイレクトにそんなこと言うなんて・・・・・・ズルイ・・・///
ユフィは、赤くなっていることを悟られまいとして、話題を変えた。
「そ、それよりさ、ヴィンは今日どうすんの?」
「・・・時間が時間だからな。ここに泊まる」
「ここに?」
「・・・ああ、ここにだ」
「そ。じゃあ、ゆっくり休みなよ」
「・・・そうさせてもらう」
そう言ったかと思うと、ヴィンセントはおもむろに、ユフィを抱きしめて、ベッドへと倒れこんだ。
「へ・・・?ヴィン・・・?」
何が起こったのか、急なことで状況把握ができないユフィはきょとん、としていた。
「・・・何だ?」
「なんていうか・・・休むなら自分の部屋で・・・」
「・・・ここが私の部屋だ」
「はぁああああっ!?」
「・・・言っただろう?ここ泊まると」
「ま、まさか、そういう意味!?」
ヴィンセントは、フッと笑って「・・・今頃気付いたのか?」と、耳元で囁いた。
吐息が耳に掛かって体がピクンと反応する。
ユフィはとりあえず、逃れようともがくが、それは適わず、それどころか、ヴィンセントのユフィを抱きしめる腕の力は、もがいたらもがいただけ強くなるばかり―――――
「お、おい、離せよ・・・!!」
「・・・抱き枕が何を言う」
「だ、抱き枕って―――――///」
ユフィの抗議を無視して、ヴィンセントは、抱き心地のいい体制を探していた。
「・・・うむ、この体制がいいな」
ヴィンセントが見つけた体制、それは、顔を、ユフィの胸に埋め、両腕は背中の方にしっかり回っている、そんな体制。
「ちょっ、ちょっと・・・!!!」
胸の中で、ヴィンセントが呼吸しているものだから、生暖かい息が服越しに伝わってきて、鼓動が早くなる――――――
「ね、ねぇ、ヴィンセント。夕食にしない!?」
「・・・要らない」
「じゃ、じゃあ、お風呂入ろ?」
「・・・風呂か・・・」
風呂と聞いてヴィンセントは少し考えて、ユフィの胸の中でニヤッと笑った。そして・・・
「・・・そうだな、入るか」
「だったら、ヴィンセントが先に―――――」
「・・・一緒に入るぞ」
「ええっ!!?」
ヴィンセントは宣告すると、ユフィを抱き上げた。
「ヴィ、ヴィンセント・・・!?」
「・・・何だ?」
「ホ、ホラ、風呂狭いよ?」
「・・・よりいっそう密着できるな」
「ムッツリ!!!」
「・・・なんとでも言え」
反論したところでどうにもならない。腕の中で暴れて見るがビクともしない。
ユフィはそっとヴィンセントを見上げた。ヴィンセントはユフィを見て黒く笑った。
「やーーーあーーーーっ!!!」
「・・・諦めるのだな」
こうして、赤マントは、ユフィを風呂の中へと引き連れたのだった。
END
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