記念

□お届け
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頭を抱えていても仕方ないので、取りあえずダンボールから猫耳メイドを取り出してベッドに横たわらせる。
面積が広くなったことにより、身体を十分に伸ばせるので、ユフィの顔が先程よりも穏やかになった。

そっと髪を梳いて、携帯を取り出す。
掛けた先は今回の元凶。


・・・数秒コール音が鳴って、シドが電話に出た。

『ああん?どうしたヴィンセント?』

その声は何かを期待しているような楽しんでいるような声だった。
殴りたくなるが、代わりに不機嫌な声を聞かせた。

「・・・どういうつもりだ」

『お前が喜ぶと思ってやったんだよ』

なんのことか察しがついているシド。それが尚更、癇に障って舌打ちしたくなる。

「・・・ダンボールに人間を入れるのはいかがなものかと思うが?」

『あ〜?紙見てねーのか?』

「・・・紙?」

ヴィンセントはユフィを取り出したダンボールの中を覗いた。
中には―――『捨て猫です。飼ってあげて下さい』と、やや乱暴に書きなぐられた紙があった。

「・・・」

『どうした、見たのか?』

「・・・例え人間だろうが動物だろうがダンボールに入れるのはどうかと思うがな」

『まぁまぁ、細けーことは気にすんなって!ちゃんと可愛がってやれよ!』

そう言ってシドは一方的に電話を切った。
もっと文句を言ってやりたかったが、もう掛け直す元気すらない。
ので、ベッドの縁に座ってもう一度ユフィの艶やかな髪を梳いた。
そして、そのまま指を頬に滑らしてそっと呟く。

「・・・さて―――」






どうやって躾をしてやろうか?











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