巻物

□T
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「スコールって無愛想だね」

アタシはクリスタルワールドっていう所でとある二人と歩いてた。
名前はスコールとラグナ。
本当はティファとクラウドについて行きたかったんだけど、雰囲気的に無理。
二人だけで行く的な雰囲気だったから敢えて遠慮した。

他も他でまとまってて、どうしようかなって思ったらこの二人がいた。
んで、面白そうだからついて行く事にしたんだ。

「フン、悪かったな」

スコールがアタシから目線を外す。
あーらら、怒らせちゃったかな?

「ユフィの言う通りだぞ?もっと愛想良くなれよ」

さっすがラグナ!
イイ奴だし、面白くて退屈しないな〜。

「親しくするつもりなどない。俺は一人で行く」
「まーまー。本当はみんなといたいくせに〜」
「お前に何が判る?」
「判るよ?スコールに似てる奴、アタシの仲間にいたから」
「俺に似た奴が?」
「そ。ちょっと違うけど一人になりたがる所が特に似てる」
「どんな奴なんだ?詳しく聞かせてくれよ」

ラグナが話に乗ってくる。
そんな訳で、アタシはとある棺桶男の話を二人にした。

「成程〜、根暗で棺桶男か〜」
「特に一人になりたがる理由がスコールに似てない?」
「似てる似てる!」
「・・・俺は根暗でも棺桶男でもないぞ」
「そこは言ってねーだろ?」

始まったらスコールとラグナのやり取り。
この二人、正反対だけどどっか似てる。
なんか親子みたい。
あーでも、親子って言えば親父思い出すな〜。
どーせ部屋でごろ寝してるんだろーけど。

「そ〜いえばよ、ユフィはその根暗で棺桶男のヴィンセントって奴の事が好きなのか?」
「な、ななななななな何でそーなるんだよ!!!!??」
「だって、話し聞いてるとそういう風に聞こえるぜ?なぁ?スコール」
「ああ」

そこは冷静に無視しろよ!!
こんな時だけ頷きやがって!
そんなにヴィンセントと似てるって言われたのが嫌だったのか!?

アタシの顔は恐らく赤いだろう。
なのに、ラグナは話を続ける。

「ヴィンセントの事がほっとけなかったんだろ?
 それに、世界を破滅に導くオメガを倒してしばらくして帰って来た時、抱きついたんだろ?」
「そ、そうだけど・・・」
「こりゃ恋だね。他にも理由になりそうなものあげようか?」
「いいよ!!」

コイツ、ある意味で意地悪だ!!
ワザとか?それとも天然?
スコールはさっきから横で、うんうん頷いてるし。
コイツもこんな奴だったか!?

アタシが慌ててると、ふと背後に何かの視線を感じた。

「?」

アタシはすぐに後ろを振り返った。
でも、そこには誰もいなかった。

「どーした?誰かいたのか?」
「うーうん、何でもない・・・」
「道草食ってる場合じゃない。行くぞ」

歩き出したスコールにアタシとラグナも続いて歩き出す。

でも、なんだったんだろう、さっきの視線は。
敵の気配は感じなかった。
どっちかって言うと、慣れ親しんだような何かそんな感じ。
味方だったら声をかけて来るだろうし・・・誰だろう?

「ユフィ、おいユフィ」
「はぇっ!?」

思考を巡らせいていたアタシにラグナが呼びかける。

「どーした?さっきからボーッとして」
「ああ、大丈夫だよ。大した事じゃないから」

アタシは適当に言い繕ってその場をなんとか流した。














アタシたちはアルティミシア城を歩いてた。
でも、城の主のアルティミシアは留守みたい。
三人で歩いてると、ふと何かの気配を感じた。
ふと見上げると―――ヴィンセントがいた。

「ヴィンセント・・・?」
「え?」
「どうした?」
「あそこ―――ヴィンセント!!」

アタシはヴィンセントの名前を大きな声で呼んだ。
すると、ヴィンセントは驚いたような顔をした。

「・・・ユフィ・・・」

「ちょっと待ってて!」

アタシは素早くヴィンセントの所に向かった。
そして、笑顔で話しかけた。

「ヴィンセントもこの世界にいたんだ?」
「・・・ああ」
「でも、起きた時にヴィンセントいなかったよね?何で?
 アタシたちよりも早く起きてクリスタルを一足早く探してたの?」
「・・・それより、あそこの二人は?」

ヴィンセントの視線がスコールとラグナに向けられる。
アタシは二人を紹介した。

「こっちの仏頂面がスコールで、こっちの愉快なのがラグナ」
「誰が仏頂面だ」
「そうだ、無愛想って言ってやれ」
「違うだろ」

スコールはキツク言ったつもりだが、ラグナからしてみればツッコミ。
やっぱ面白いな、この二人。
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