巻物

□U
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「ジタンも入るか?」
「たりめーだ。レディを泣かした奴を説教しないでどうしろってんだ」
「あ、私も参加してるからね」


あ、そうなんだ。
でも、ユウナもアタシの為にヴィンセントに説教してくれるなんて・・・優しいな〜。


「よし!クリスタルを探しつつ、勧誘活動をするぞ!」

「おーっ!!」


ラグナって何だかんだ言って頼りになるよな〜。
そりゃみんなに好かれる訳だ。
まぁ、そんな訳でアタシたちはクリスタルとヴィンセント探しと勧誘活動をする為に歩き始めた。

なんか、話によるとバッツもジタンももうクリスタルを手に入れたみたい。
後はアタシとラグナだけかな〜?
早く見つけないと。
あ、でも勿論ヴィンセントが優先だからね?
・・・深い意味はないよ、多分。







しばらく歩いていると、アタシたちはある二人に出会った。


「ティファ!クラウド!」


そう、ティファとクラウドの二人に出会ったんだ。
いや、再会って言った方が正しいかな?


「ユフィ!無事だった?」
「うん!ティファたちも無事みたいだね」
「クリスタルは見つけたか?」
「あー、それがまだでさ」
「そうか。ラグナたちはどうだ?」
「俺とユフィ以外のメンバーはもう見つけた」
「ティファとクラウドはもう見つけたの?」
「ええ」


ティファは笑顔で答えてクラウドと顔を見合わせた。
そして、同時に手を翳してクリスタルを出した。
恋人ならではのシンクロ、恐るべし。


「いいな〜。どうやって見つけたの?誰かと戦った?」
「セフィロスとな」
「ああ・・・―――倒した?」


すると、ティファが首を横に振った。


「どっか行っちゃったの」
「だが、しばらくは俺たちには近づかない筈だ。興味が失せたとか何とか言ってたからな」
「ふーん」
「それより二人共、説教委員会に入らないか?」

「「説教委員会?」」


早速バッツが勧誘した。
そして、ラグナとかも一緒になって色々説明してくれた。


「そう、ヴィンセントが・・・」
「アイツもこの世界にいたんだな」
「で?入るンスか?」
「ああ」
「勿論!」


ティーダの問いかけに二人は快く頷いた。
つか、即答?


「流石にヴィンセントの行動はいただけないな」
「本当に不器用ね。誰かさんと同じで」


そう言ってティファはクラウドを見た。
クラウドが慌てる。


「なっ、どうして俺が・・・」
「そりゃそうでしょ。何も言わないで家を出てったのって誰だっけ?ねぇ、ティファ?
 ティファとっても可哀相だったな〜?」
「ユフィ!それはだな―――」
「クラウド君クラウド君?」
「ちょっと話を聞こうじゃないか」


ラグナとジタンがクラウドに詰め寄る。
ヴィンセントの前にクラウドを説教だね、こりゃ。
そんな風景にアタシたちは笑った。
でもその時、アタシ以外のみんなの『時』が止まった。


「え・・・?」


何が起こったのかよく判らない。
ただ、みんながピクリとも動かないんだ。


「楽しい話をしてる時にごめんなさい」


冷たい声が背後からした。
こんな事が出来るのはカオス軍のあの“オバサン”しか出来ないと確信していたアタシは、恐る恐る後ろを振り返った。

―――案の定、そこにはアルティミシアなる魔女がいた。


「アタシに何の用?」


勿論、アタシは身構えた。
でも、アルティミシアは余裕だ。


「私は特に貴女に用はないの。ただ、ガーランドが五月蝿くてね」

「ガーランドが?」


あの鎧のおっさんがアタシに何の用だってんだよ。


「そんな訳だから、一緒に来てもらいましょうか」


アルティミシアがアタシに向けて手を伸ばす。
すると、次の瞬間にはアタシは別の場所にいた。
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