巻物

□次行くぞ
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女A「キャー!セフィロス様〜!」
女B「今日はどうしたんですか〜?」
女C「会えて嬉しいです!サインして下さい!!」
女D「握手して〜!」
女E「私は写真がいい!」

キーキーと甲高い声が耳に痛い。
こんな時、ジェネシスはどんな風にしてやり過ごしていただろうか。
そしてエルオーネはどこにいるのか。

そんな時に携帯が震えた。
セフィロスは気を紛らわす為に携帯を取り出した。
ディスプレイを見ればメールの取得を表示している。
送り主はエルオーネだ。

『今、目の前の喫茶店の入り口の横にいるわ。
 来れる?来れなかったら頑張ってそっちに行くけど?』

その文面を見てセフィロスは目の前を見た。
すると、メールの内容通りに喫茶店があって、入り口の横にはエルオーネが立っていた。
こちらに気づいたらしく、手を上げている。
それを確認したセフィロスはこちらから行くと返信し、女の波を掻き分け始めた。

セフィロス「どいてくれ」

女F「どこ行くんですか〜?」
女G「私もついていきます!!」

セフィロス「ついてこなくていい」

セフィロスは努めて冷たく言ったが女達は動じない。
それでも気にせずにセフィロスはエルオーネの元へと向かった。

セフィロス「探した」
エルオーネ「私も少し探したけどすぐ見つかった」

苦笑するエルオーネにつられてセフィロスも苦笑した。
しかし、周りの女達はそれが面白くないようだ。

女H「セフィロス様その女の人誰ですか?」
女I「まさか彼女とか・・・!?」
女J「そんな事ある訳ないじゃない!きっと会社の関係者か何かよ!」
女K「関係者にしては馴れ馴れしくない?」
女L「きっと自分は気に入られてるとか思い込んでるのよ」
女M「やだー、気持ち悪ーい。もしかしてストーカーだったりするんじゃない?」
女N「本当はキャバ嬢かデリヘルなんじゃない?体でセフィロス様を・・・」
女O「サイテー!!ちょっと、セフィロス様から離れなさいよ!」
女P「そうよ!私たちのセフィロス様が汚れるわ!!」

口々に言いたい放題な女達。
しかも、いつセフィロスが『お前たちの』セフィロスになったのやら。
エルオーネはむっとして言い返そうとしたが、セフィロスが手を引っ張った事でそれは止められる。

セフィロス「ホテルに戻るぞ」

女D「ちょっと、セフィロス様!?」
女Q「その女は本当に何なんですか!!?」
女N「その女を連れて行くなら私も!」

セフィロス「失せろ」

セフィロスの瞳は氷で突き刺されたと思うくらい冷たく、言葉には殺気にも似た怒気が含まれていた。
流石の女達も竦み上がり、それ以上何も言う事が出来なかった。


そして、セフィロスの言葉通り、エルオーネはセフィロスと共にホテルに戻った。
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