巻物

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ブレイブ・キャット司令室

アーヴァインとヴィンセントは主のいない一室で、ただただこの部屋の主を待っていた。
二人は呼び出されていたのだが、呼び出したからには本人いろよ!と文句を言いたくなるがそうもいかない。
この部屋の主であるリーブはそれなりに多忙なのだ。
だから遅れてくるのも仕方ないと割りきって二人は雑談をする。


アーヴァイン「ヴィンセントはスマホ買わないの?」
ヴィンセント「今使っている携帯で精一杯だ」
アーヴァイン「タッチしたりするだけでいいんだよ?」
ヴィンセント「それでも私の前では普通の携帯と成り果てて本来の機能を発揮する事はないだろうな」


ヴィンセントは冗談混じりに言って苦笑をした。
失礼であるが、本人の言う通りヴィンセントがスマホを使えば本来の機能を発揮せずに終わるだろう。
それほどまでにヴィンセントは機械に弱かった。


アーヴァイン「そこはアレ、チャンスに変えてユフィに手取り足取り教えてもらいなよ〜」
ヴィンセント「だがアプリというものを使いこなす自信がない」
アーヴァイン「あれは使いやすそうなのを使えばいいんだって〜」

リーブ「お待たせしました」


部屋の扉が開き、リーブが現れた。
リーブは両手で沢山の書類を抱えている。
うん、大変そうだ。


アーヴァイン「リーブお疲れ〜」
リーブ「ええ、本当ですよもう・・・本当だったら貴方たちに手伝ってもらいたいんですけど・・・」
ヴィンセント「そうも行かなくなったんだな?」
リーブ「ええ、そうです」


この時、ヴィンセントとアーヴァインは心の中でガッツポーズをしたという。
それほどまでにリーブの書類の手伝いはめんどくさいのだ。


リーブ「セフィロスたち三人やスタイナーたちは任務に出向いていますし、
    特別課の方たちにお願いしようにも急に行かせる事は出来ないんです。彼らにも仕事がありますから」
アーヴァイン「それでたまたま暇だった僕たちが選ばれたと?」
リーブ「そうです。それに、この任務は恐らく貴方たち向きかと思うので」
ヴィンセント「内容は?」
リーブ「トラビアに行ってきて調査をしてきて下さい」


言いながらリーブは大量の書類の中から、数枚の紙を取り出して二人に渡した。
適当にパラパラと内容を見てみると、トラビアエリアに出現するモンスターの事について書かれていた。


アーヴァイン「え?新種のモンスターが出たの〜?」
ヴィンセント「それに新種に限らずトラビアでは遭遇しないモンスターも目撃されているらしいな」
リーブ「そうなんです。そこでお二人にトラビアに調査しに行ってもらいたいんです」
アーヴァイン「別にいいけど、この任務はどっちかっていうとセフィの方がいいじゃない〜?
       ほら、トラビアはセフィの故郷な訳だからさ〜」
リーブ「先程も言ったようにこの任務は貴方たち向きなんです。この言葉の意味が判りますか?」


リーブが真剣味を帯びた声で問う。
そこには冗談も嘘も何もなかった。
それを察知したアーヴァインは真剣な表情で沈黙して返した。
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