巻物

□製作日
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エルオーネに会計をしてもらってお金を払った三人はユフィの家でチョコレート作りに励んでいた。

「チョコはよく刻んで・・・っと」
「愛情込めて刻まなあかんよ」
「こんな所でも?」
「こんな所やからこそ込めなあかんねん。一つ一つの過程はとっても大切なんよ」
「んじゃ、愛情込めて・・・」

その後も失敗しないようにと本をしっかり読みながら慎重にチョコを作っていく三人の姿は微笑ましかった。
さて、チョコを冷蔵庫で固めてキッチンを甘い香りで満たしたところでほっと一息。
したいところだが、ここまでまた問題が一つ。

「デコペン・・・何書く?」

セルフィの問いかけにユフィとリュックは答える事が出来なかった。
何か書こうと思ってデコペンを買ってきたものの、何を書くかまでは考えていなかったのだ。

「・・・普通に『好きです』とかは?」
「なんかありきたり〜」
「『ずっと前から好きでした』なんてのもベタだしね〜」
「ていうか他の人も書いてそ〜」
「じゃあ・・・『I LOVE YOU』?」
「それもありがちやな〜」
「じゃあ、いっそのことアルベド語で書くのは?」
「それはちょっと・・・」
「暗号はどうやろ?」
「気づいてもらえなくてスルーされたら悲しくない?」
「も〜どーすんのさ〜!」

三人は腕を組んでう〜んと悩んだ。
悩んで悩んで知恵を振り絞っても中々いい言葉が思いつかない。
そうやってずっと悩んでいる内に三人は眠りこけてしまった。
そして気づけば夕方。

「ハッ!寝ちゃってた!セルフィ、リュック、起きて!」
「む〜ん・・・あと50分・・・」
「セルフィそれは寝過ぎ!」
「おはよ〜」
「リュック、寝跡が・・・」
「それよりお腹すいたね〜」
「確かユフィのお父さんは今日帰ってこないんだよね?」
「うん。だからこそアタシの家でバレンタインチョコ製作お泊り会が出来るんじゃん」
「ほな夕食作ろうか」

三人は立ち上がって夕食作りに取り掛かった。
夕食が出来上がり、楽しく食べたあとは風呂に順番ずつ入って就寝の用意をする。
布団にinしたら後は女子特有の寝る前の会話をするだけ。

「ねぇねぇ、結局エルオーネってセフィロスとどーなの?」
「どーもこーもまだ友達止まりなんじゃない?」
「というよりも曖昧な関係ってやつなんやない?」
「ふ〜ん。いつかのクラウドとティファみたいに焦れったいね」
「いやいや、これはこれで楽しいと思うで?」
「あ、そういえば知ってる〜?実はスタイナーとベアトリクスがね―――」

こうして乙女たちの夜は過ぎていくのであった。
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