振り

□恋愛解法
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「ねぇ、たじー」

「んあ?なんだ?」


今、

テスト期間中。


せっかく、片思いの田島に
勉強教えてあげるって口実で放課後の教室に残ってもらってるのに


私の意気地なしは


告白なんてできそうにないです…。


だったら探りでもいれてみようかな。

「…たじーってさ…、

す…好きな人とかいんの?」


夕日の射し込む教室に、

机を引っ付けて勉強する醍醐味は、

この息抜きトークにあるとみた。


…うん、思考がおかしくなってるのは自覚してるって


田島は、そのくりっとした目を綻ばせて無邪気に言った。

「おぉ!いるいるー」


いるいるーてアンタ、


心が折れそう…。


聞いといて撃沈とか、むなしい…



「ふーん」

私はあくまで、あくまでも平静を装ったのに


「ふーんってオイ!

誰!?とか気になんねーの?つまんねーじゃんかよー」


マジで、空気読めよ?たじー。


好きな人なんか知ったら私、嫌がらせすんぞ…ウソだけど…!

チキンだからそんなことできないし…!

「ああ、…えっと興味ないし…」

「興味なかったら好きな人なんか聞くわけないだろ」

ぐ。こういう所は鋭いんですね…


「じゃ、さ…聞きたくない。気が変わったとゆーことでぇ、


はい、次の問題〜!」

「……」

しらーっとした視線もはねとばしてシャーペンで田島の教科書の問題を指した。




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