振り
□子どもだまし
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「いぃーずみぃー!」
「はわっ!浜ちゃんっ?!いいよっ、やめてってば!」
朝っぱらから暑苦しい浜田の声と、
可愛い制止の声に振り返る。
手を挙げて応えると、
“こいこい”と手招きする浜田と、
“来なくていいよ!”のジェスチャーをする、高校にあがってめでたく彼女に昇格した幼なじみ。
「……どっちだよ。」
そりやぁ
朝から好きな人に会えるなら、
もちろん
呼ばれなくても行くけどな。
駆け寄って浜田は無視して話しかけた。
「おっす」
「お、おはよ。ごめんね、呼ぶつもりなんかなかったのに…もう」
「いーじゃん?なぁ泉?」
ウザイな…。
無視続行。
「…別にいいよ。
つか…なんでソイツといんの?」
あ…、言い方キツかったか?
「あのね…応援旗が完成しないからって手伝い頼まれたの」
「そーそー、泉から裁縫上手って聞いてたからな」
「みんなが朝練してる間に作るからね!」
浜田のフォローに笑顔になって話すのに、
ちょっとムッとした。