振り
□可愛いキミにKiss!
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練習終わり。
帰ろうとすると後ろの暗がりから声がした。
「先輩、お疲れッス」
「…準太!みんなと帰ったんじゃなかったんだ?」
待っててくれて、凄い嬉しい。
駆け寄ると、だんだん準太の顔がはっきり見えてきた。
「って…!
なんでそんな拗ねた顔してるのよっ!」
「別に…してないスよ。」
あ、顔反らした。
お見通しなんだからなぁ!
「ウソつきめー!何?どーしたの?」
「……。」
準太は何も言わずにアタシの手をとって歩きだした。
多分……一緒に帰ろうって事だと思うケド、
心なしか、手に力がこもってる気がする。
「(まぁ、こーゆーときは詮索するより待ってた方が話してくれるよね。)」
そう思って黙ってしばらくそうして歩いていたら
「はぁ」
ため息が聞こえた。今が、機だな。
「なぁに、さっきから。」
ホントに世話かける彼氏だなぁ!
アタシの弟じゃないんだから…。