振り

□戦略、あなたが好きです。
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只今は自習時間
ただ居るだけの先生も教卓について夢の中。
みんな…静かに他事をしている。


私も最初は真面目に自習してたけど、

メールがきて集中力が途切れた。




『好きだ


突然だし、驚いたかな。

なかなか時間が合わなくてメールになって…ゴメン』


………秋丸くんだった。
私は思いもよらない展開に、隣のヤツをペシペシ叩き起こした。



「……んだよ?」
「これ!!秋丸くんから告白メールきたんだけど!!宛先間違えたのかな?
ねぇ、榛名なら何か知ってるでしょ?」


私、そこまで秋丸くんと親しかった覚えがない。
そう、なぜ彼からこんなメールがくるのか全然、見当もつかない。

ヒソヒソ会話は榛名のメールで話そうという提案でうちきられた。


『秋丸のやつ、なんて?』
『好きって。
なんでいきなり?』

『あー、俺の話聞いてたからな』


……榛名の話?どういうことだ、それは。


『何話したの?』


隣をちらっと見ると
榛名は少し悩んだように何度かボタンを押した。

結構長い文章かとおもったら、返ってきたメールは短いものだった。



『秋丸のソレ、断れよ』

おい!
なんだソレ!?

『は、何で?つか私の質問無視か!

…普通友達の恋愛は応援するのがスジじゃないの?』

榛名ってそんな血も涙もないヤツには見えないのに!


『友達っつーかライバルだしな』


え?



意味がわからなくて、隣を見ると


一瞬不敵に笑ってから


ちょいちょい、と手招きされた。



近寄ると、耳打ちされた。


「秋丸じゃなくて、俺にしとけよ」




それはそういう意味で。


耳元で囁かれちゃ顔も赤くなるのはあたりまえで。

嬉しく思うのは、私が榛名の事が好きだったりするからで。



「その反応は、OKってコトで」

榛名はにぃと笑ってから
ひょい、と私のケータイを取り上げて

何やら文章を送った。



「ちょっと、何勝手に送ってるの…!」

「ちゃんと報告しねーと」


そういってまた眠ろうと机に突っ伏した。



私は急いで送信ボックスを見た。


『榛名サマと付き合うことになったので秋丸なんか眼中にないです

って言ってた。残念だったな(笑)


By.元希』


秋丸宛てのそれに、
顔面蒼白になった。


「ちょ、寝るな!
こんなメール送って、私これから秋丸くんとどんな風に接すれば……!」

「ああ゛?
そんなメール送っちまったんだからもう接しないでいいだろ。」

「はぁ?訳わかんないよっ!」


少し、声が大きかったようで、榛名がシーッと言った。

ごまかして終わらす気じゃないだろうな……!


私はメールを打った。


『榛名って私のコト好きだったの?』


『お前が俺の事好きだったんだろ。だから付き合ってやるって言ってんだろ』

『うわー自過剰ー。オレサマー。

でも、好きだよ』


ガンッ

榛名がケータイを落としたのを見て「どうしたの」と聞くと、無視された。


『お前、どうしてそーゆー事を軽々しく言えるんだよ』
『意味わかんない。何それ?』
『わかれ、アホ』



私の彼氏は、
オレサマですが
何はともあれ、好きです。






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