oofuri book

□優しい瞳
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「浜田」
「どうしたの泉?」
「スキ」
「・・・珍しいね、泉がスキなんて」
「スキ・・・スキ・・・大好き・・・」
ぽろぽろと俺の目から涙がこぼれおちる。
「・・・泉?」
浜田が俺の背中に腕をまわす。
「大丈夫だよ。俺は泉だけがスキなんだから」
浜田はなんで俺の気持ち、何も言わなくても分かるんだろう・・・
抱きしめられて、余計に涙があふれてくる。
泣き過ぎてうまくしゃべれない。
「はまっ、こくっ・・・はくっ・・・されっ」
「告白?」
こくんと俺はうなずいた。
「されてたっ・・・」
「あぁ、断ったよ」
「なんっ・・・」
浜田が俺の頭をなでる。
「なんで、って、泉のことが大好きだからだよ」
「あの子のほ・・・がっ・・・かわっい・・・」
「泉のほうがかわいいしスキなんだって」
「どっ・・・どこがっ」
「聞きたい?」
にこっと優しい顔で笑う浜田。
「そのおっきい目とかかわいい顔とか、すなおじゃないとことか・・・ぜーんぶスキだよ」
顔が赤くなるのが自分で分かる。
「ほら、もう泉泣かないで」
そう言って浜田は俺の目にキスを落とす。
「泉、大好きだから・・・」
その優しい瞳がスキなんだ。
「浜田・・・俺のこと離さないで・・・?」
「うん。イヤって言っても絶対離さない」
浜田の唇が俺の唇にそっと触れる。
また涙があふれだす。
この涙は悲しい涙じゃない。
愛されてるって感じて嬉しくなったからだよ・・・。
浜田の舌が俺の舌と絡まる。
「はまっだ・・・スキっ」

ずっと、ずっと俺を愛して―
小さくつぶやいた言葉だけど浜田には聞こえてたみたいで、
優しい顔でうんって言った。
「ねぇ、泉、してもい?」
いつもなら殴るとこだけど・・・
「うん・・・俺も・・・したいかも・・・って」

今日ぐらい素直になってもいいよな・・・?


end
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