07/04の日記
09:33
少女はただ傍観する
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見ていた。
ただ、今起きている惨状を。
記憶に残していたいとか、未来に残す為だとか、そんな事はしない(したくない)がただ見ていた。
例えばそれは愛憎劇だったり、友愛を感じる青春ラブストーリーだったり。
「楽しいね!やはり、男女間の愛憎劇は殺伐として見飽きないね。青春ラブストーリーなんて青臭くてみてらんないしな…よし、次はこれにしよう★」
レンタルビデオ店のようにズラリと並んだテープの数。
五十音で丁寧に整理されたテープ棚は、まるで城の門のようなたたずまいである。
さて、そのビデオテープにはおかしい所が多々見られる。
一つは、テープに日付と種類しか書いてない事。
もう一つは、
『ぐぁっ!』
『た、助け…ぎゃあぁあ!』
『か、金ならいくらでもある!
だから、命だけは…!』
「いひひっ!楽しいなぁ楽しいなぁ♪
“社員全員テロで死亡!財閥を襲った悲劇!”ってか?いひひひっ」
登場人物が皆一般人であること。
ある程度ビデオを見た少女は、自称傍観者。
決して登場人物の物語を汚せない、汚さない。
自分で物語を壊すわけにはいかないから。
「いひっ、今日はどんなものを見せてくれるんだい?」
奇怪な笑いをしながら少女は、物語を見つけるべくカメラを手に外へ出た。
あとがき
今回は少し短めにしてみた★
因みにいひひ笑いは自分の笑い方←
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